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【ACCJ】米国で使用される医療機器、4割が日本での承認申請断念‐デバイス・ラグ解消で提言

2008年12月11日 (木)

提言を発表する王氏
提言を発表する王氏

 海外で販売されている医療機器が日本で承認されていないデバイス・ラグが問題視されている中、米国で使用されている医療機器の約4割が、日本では承認申請されていないことが、在日米国商工会議所(ACCJ)の医療機器・IVD小委員会が実施した調査結果から明らかとなった。理由として、開発コストが増大していることや、市場環境が十分に整備されていないことなどが挙げられている。同委員会は調査結果を踏まえ、デバイス・ラグの解消に向け、厚生労働省に申請前相談の短縮や審査期間の短縮、審査体制の強化などを要望していく方針だ。

 日本では、産官でデバイス・ラグの解消に向けた取り組みが進められてきた結果、承認審査の実施期間は短縮されたものの、追加臨床試験の実施、追加データの提出などによって申請前の開発期間が延長しており、依然として開発から承認までの期間が短縮されていないのが現状だという。

 そこで、同委員会は日本でのデバイス・ラグの実態を調査するため、ACCJ会員企業33社と欧米に拠点を持つ医療機器企業10社を対象に、2005年4月から08年3月までの間に、米国で承認された医療機器の日本での承認状況について調査した。

 その結果、欧米で使用可能な医療機器の半数程度しか日本で使用できないことが明らかになった。特に、米国で承認された医療機器の36%について、日本での承認申請を断念していることが確認された。

 承認申請を行わない理由として、追加臨床試験の実施費用や承認審査にかかる申請手数料、相談料などの負担が大きいことが挙げられており、承認申請前に複数の障壁が存在することが示されている。

 同委員会は8日、米国と同様の事前相談の実施環境の構築など、日本でのデバイス・ラグの解消に向けた要望などを盛り込んだ施策提言を発表した。

 承認申請までの期間の短縮に向けた提言としては、米国で採用されている「モジュラーシステム」の日本版の制度構築を要望している。

 日本では、申請前の事前相談で、試験結果や製品材料の説明資料などを一括して提出することがことが求められているが、同システムを導入することで、資料を一括して提出せずに事前相談を行うことで、承認申請までの期間を短縮させることができるという。

 さらに、安全性試験や一変申請範囲の国際整合化の推進、資料への製品材料に関する記載の簡素化、申請資料として非臨床研究や文献のデータを活用して有効性や安全性を検証する「臨床評価」の概念の定着などを要望していく。

 審査期間の短縮に向けては、医療機器の有効性、安全性を実証するために必要な最低限の情報で承認審査などが行われる「最小負担化アプローチ」の導入などを提案すると同時に、審査担当者の増員や質の向上なども要望する。

 王恵民委員長(エドワーズライフサイエンス社長)は、8日に都内で行った記者会見で、申請前の開発期間が延長していることを踏まえ、提言の実行を強く求めた。



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