一般社団法人医療統計推進協会が、今月から「医療統計オンラインセミナー」を開講する。医療現場の事例をもとに、統計を分かりやすく解説するベーシックコースとアドバンスコースがあり、オンデマンド配信で申し込み日から60日間、自分のペースで好きな時に受講ができる。受講者の反応などを見て、質問会などのライブ配信も計画している。
同協会は、2019年5月に京都廣川書店と近畿大学が連携して、薬剤師ら医療関係者に医療統計を教える目的で設立された。
同年秋に開催された統計セミナーは好評を得たが、それ以降は新型コロナウイルス感染症の影響で開催を延期していた。コロナ禍を機にオンラインセミナー開講の準備を進め、このほど完成した。
セミナーコンテンツは、テレビ番組などを手がけるプロのスタッフに制作を依頼し、見やすいものにまとめられた。
コンテンツは、統計を初めて勉強する人の目線で、理解できる用語の選択と解説を意識し、大幅に見直しを行った。多くの統計セミナーでは、学問としての統計学を教えているが、同セミナーでは、統計をデータの裏に隠された真実をあぶりだすための道具として考えている。
受講者の多くは、検定・推定などの統計解析をその目標にしているが、統計解析を理解するためには、データの分類ができること(要約)と、統計解析の全体設計(研究デザイン)を理解しておく必要がある。セミナーでは、統計解析(推定・検定)のみならず、理解の前提になる2点を徹底して分かりやすく解説している。
また、統計解析(推定・検定)の基本事項を学んだあとで、講師と一緒にエクセルを使い共に統計解析をする演習もある。コンテンツは全て動画のため分からないところは見返しながら、ゆっくり計算演習でき、実際に使える統計を身につけることを可能にしている。60日間という視聴期間が長いことも理解に役立つ。
受講コースは、データの分類と表し方(要約)を解説したベーシックコースと統計解析の基本(研究デザイン・推定・検定)を解説したアドバンスコース、臨床統計や研究調査などを学ぶスペシャリストコースがある。
ベーシックコースとアドバンスコースは、1日から申し込み、受講ができる。スペシャリストコースは来年以降に開講を予定している。自分に合った適切なコースを選ぶために、理解レベルの確認ができるウェブ検定(無料)も用意されている。
受講料金は、ベーシックコース(約10分×14本)が定価1万8000円のところ特別価格として9800円、アドバンスコース(約10分×26本)は2万8000円が1万8000円(全て税込み)