庄田社長
第一三共の2009年3月期第3四半期決算は、ランバクシーの買収に伴うのれん償却費が大きく影響し、純損失は2978億円の赤字となった。ランバクシーの08年第4四半期決算も110億円の純損失を計上した。通期も純損失が3160億円の赤字となる見通しだ。1月30日に開いた第3四半期決算説明会で庄田隆社長は、通期予想について「インドルピーが大幅に下落したランバクシーの第4四半期業績見込み、ランバクシー買収に伴うのれん償却の要素を反映している」とした上で、「ランバクシーの赤字は為替の評価損で実質的に黒字」と述べ、成長基調に変化がないことを強調した。
同社の2009年3月期第3四半期決算は、売上高が前年同期比9・8%減の6276億円、営業利益が37・5%減の980億円、経常利益は43・9%減の931億円となった。しかし、第3四半期から連結子会社化したランバクシー買収に伴うのれん償却費3540億円を特別損失として計上したことから、純損失は2978億円の赤字となった。通期決算の純損失は3160億円となる見通しだ。
また、ランバクシーの08年10012月の第4四半期決算は、売上高400億円、営業利益10億円となったものの、米ドルに対するインドルピーの急落が影響し、250億円の経常損失を計上、純損失も110億円の赤字となった。庄田社長は「ランバクシーの赤字は為替差損の影響であり、実質的には黒字」と強調。「今後、中期的にはインドルピーは米ドルに対して強くなっていく」とし、ルピー安の業績への反映が今後の重要な要素になるとした。
一方、今後の方向性について庄田社長は、ランバクシーが新薬の研究開発でも英グラクソ・スミスクラインや米メルクなど、メガファーマと提携している点を挙げ、新薬開発でのシナジー効果も狙っていく考えを示した。ただ、ジェネリック医薬品に関するランバクシーの日本市場への進出については「重要なテーマ」との見解を述べるにとどまった。