薬事・食品衛生審議会医薬品第一部会は1月30日、小児期の注意欠陥/多動性障害(AD/HD)治療薬「ストラテラカプセル」を審議、承認することを了承した。また、そう痒を効能効果とする医薬品の小児用量追加など、2成分の一部変更を了承した。いずれも薬事分科会に報告する。
「ストラテラカプセル5mg、同10mg、同25mg」は日本イーライリリーが製造販売し、有効成分はアトモキセチン塩酸塩。小児期における注意欠陥/多動性障害(AD/HD)を効能・効果とする。原体、製剤のいずれも劇薬指定で、迅速審査の対象となった。再審査期間は8年間。
一部変更となったのは、ユーシービージャパンが製造販売する「ジルテックドライシロップ1・25%、同錠5」。有効成分はセチリジン塩酸塩。アレルギー性鼻炎、蕁麻疹、皮膚疾患(湿疹・皮膚炎、皮膚そう痒症)に伴うそう痒を効能・効果とし、今回小児用量が追加された。
同じくノボノルディスクファーマが製造販売する「ノルディトロピンS注5mg、同注10mg」「ノルディトロピンノルディフレックス注5mg、同注10mg、同注15mg」も一部変更された。有効成分はソマトロピン(遺伝子組換え)。重症に限った成人成長ホルモン分泌不全症の効能・効果が追加された。
また5件の一部変更申請が報告・了承された。
報告品目は次の通り。
報告品目は5件
▽パッチテストテープ「硫酸ニッケル」160μg(有効成分:硫酸ニッケル)、同「重クロム酸カリウム」19μg(重クロム酸カリウム)、同「塩化コバルト」16μg(塩化コバルト)、同「メルカプトベンゾチアゾール」61μg(メルカプトベンゾチアゾール)、同「ホルムアルデヒド」150μg(N‐ヒドロキシメチルスクシンイミド)、同「チメロサール」6・5μg(チメロサール)(佐藤製薬が製造販売):アレルギー性皮膚疾患のアレルゲンの確認を効能・効果とするパッチテスト用医薬品。
▽グルファスト錠5mg、同錠10mg(キッセイ薬品工業が製造販売):有効成分はミチグリニドカルシウム水和物。食事療法・運動療法に加えてチアゾリジン系薬剤を使用しても、十分な効果が得られない場合の2型糖尿病における食後血糖推移の改善の効能・効果を追加。
▽クレキサン皮下注キット2000IU(サノフィ・アベンティスが製造販売):有効成分はエノキサパリンナトリウム。静脈血栓塞栓症の発症リスクの高い、腹部手術施行患者における静脈血栓塞栓症の発症抑制の効能・効果を追加。
▽ノルバスク錠2・5mg、同錠5mg、ノルバスクOD錠2・5mg、同錠5mg(ファイザーが製造販売)、「アムロジン錠2・5mg、同錠5mg、アムロジンOD錠2・5mg、同錠5mg(大日本住友製薬が製造販売):有効成分はアムロジピンベシル酸塩。高血圧症の最大用量を追記する新用量医薬品。
▽ボトックス注50、同注100(グラクソ・スミスクラインが製造販売)。有効成分はA型ボツリヌス毒素。2歳以上の小児脳性麻痺患者における下肢痙縮に伴う尖足の効能・効果および新用量を追加。
食欲不振症治療薬、オーファンに指定
またこの日の部会では、神経性食欲不振症(制限型)および特定不能の摂食障害(摂食量が少なく低体重で、無茶喰いまたは排出行動がない場合)における経口摂食量の増加を効能・効果とする、アスビオファーマのSUN11031が希少疾病用医薬品に指定された。
SUN11031はペプチドホルモンであり、国立循環器病センターで開発されたもの。中枢に作用して食欲を亢進する作用がある。現在、国内第III相臨床試験の実施が予定されている。