京都府病院薬剤師会は4日、京都市内で開いた総会で、京都府薬剤師会との組織統合を本格的に進めることを会員の総意として決議した。京都府薬が6月に開く代議員会・総会で同様の決議を得た上で、早ければ2010年度から両会の事業、会計を全て統合し、新たな京都府薬として活動を開始する計画だ。統合が成立しても京都病薬の名称は残す。病院薬剤師会と薬剤師会の組織統合は全国で初めてと見られる。
具体的な組織体系は未定。京都府薬が進める全面的な会員区分の見直しも踏まえ、今後両会の話し合いで細部が詰められる。現在の構想では、病院・診療所の薬剤師らを京都府薬の病院部会(仮称)に区分。同部会は京都病薬とも名乗り、日本病院薬剤師会と連携した活動を続けることになる見通しだ。
統合の懸案事項だった会費については、骨格が固まった。
現行の京都病薬会費は年間1万2000円(日病薬負担金8000円含む)、京都府薬の勤務薬剤師の会費は1万5000円(日本薬剤師会負担金9000円を含む)。統合後、病院・診療所の薬剤師らは日病薬に加え日薬会員にもなる。その会費は日病薬と日薬の負担金込みで1万9800円。様々なシミュレーションの結果、従来の会費に日薬負担金を上乗せするよりも安い金額での会費設定が実現した。
総会では、将来の会費値上げや会員区分についての質問はあったが、統合そのものに反対する声は聞かれず、京都病薬の総意として組織統合が正式に了承された。
今後は、具体的な組織体系を両会で詰め、10年度からの統合を目指す計画だ。それには今秋までに新組織の概要を固める必要がある。
これまで他地域でも、島根県病院薬剤師会の全会員が島根県薬剤師会に入会するなどの連携はあったが、各組織は独立していた。京都での統合が実現すれば、71年に日薬から日病薬が独立して以降、再び地方で組織を一本化する初めてのケースになる。
中央では、日薬は組織統合に前向きな姿勢を示す一方、日病薬は慎重な姿勢を崩さないが、京都の動きは全国的にも注目を集めており、今後他地域に波及する可能性がある。