◆「『地域』で生きたいわけじゃない」。手にした本の章のタイトルだ。読み進めていくうち、地域包括ケアを理解して取材してきたのかと考え込んだ
◆手にした本は「まとまらない言葉を生きる」。著者の荒井裕樹氏は障害者文化論の研究者で、こんな記述がある。「自分の『隣近所』を守ろうとする時、人は驚くほど保守的になったり、攻撃的になったりする。障害者運動の歴史を調べていると、そう感じることが多い」
◆隣近所のある生活をしたい障害者、障害者が隣近所に暮らすことに反対する「普通の人たち」を見てきた著者は地域の意味を問う。これは包括ではなく区分けではないか。医療・介護でも思い当たる
◆新聞で読んだ貧困家庭の女性の証言も地域を問うている。「家庭の状況を親戚や周囲も知っていたのに、積極的に関わろうとしてくれた人はいなかった」(17日付毎日新聞)。地域の意味するところは隣近所。必要なのは「隣近所包括ケア」ではないか。コンビニより多い薬局は隣近所の存在。隣近所の窓になれるはずだ。
「『地域』で生きたいわけじゃない」
2022年06月27日 (月)
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