新型コロナウイルス感染拡大から約2年半の時間が経過した。未だに感染収束の兆しはなかなか見えてこないが、コロナ流行第7波においては、感染症対策と社会経済活動の両立を図るとして、緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置といった行動制限は求められなかった。社会経済活動を止めることなく、まさに“ウィズコロナ”という考えで、新型コロナウイルスと向き合う日々が続いている状況にある。
こうした中、各種イベント等が全国各地でリアル開催されるケースも増えてきている。日本チェーンドラッグストア協会(JACDS)が主催する第22回「JAPANドラッグストアショー」も8月19~21日の期間、オンライン開催と共に、東京有明の東京ビッグサイトで約3年半ぶりにリアル開催された。3日間のリアル開催の来場者数は19日が2万5927人、20日が1万1712人、21日が8685人で、合計4万6324人となった。
メインテーマには「ドラッグストアが目指す、持続可能な地域と街づくり―一人ひとりのセルフメディケーションから」を掲げ、出展社は400社、1159小間と過去最大となった。
多岐に渡る充実したイベント内容は相変わらずで、会場内を歩けば目を惹くものも多かった。夏休み期間中の開催ということもあり、子ども連れの家族で来場している人も見られ、楽しそうに夏休みの一時を過ごしている姿が印象的だった。
それらを含め、今回のドラッグストアショーは、コロナ禍で存在感を大きくしたドラッグストアが今後もさらなる成長、進化を遂げていくと期待させる場になったと言えるだろう。
振り返れば、コロナ禍の不安・不自由の中にあって、ドラッグストアの各店舗は地域に寄り添い、住民の信頼を獲得した。ドラッグストアを牽引するJACDSは、スローガンに「尊敬される企業集団を目指す」を掲げ、SDGs推進委員会を設置するなど取り組みを進めている。
例えば、レジ袋削減のための有料化を国のスタートよりも約4カ月前倒しして、大きな成果を挙げた。昨秋には食品ロス削減キャンペーンを実施。現在も横浜市内のドラッグストア31店舗で日用品メーカーと協力し、日用品空き容器の回収と再生化の実証実験を12月まで展開している。
全国のドラッグストア売上高は8兆5000億円を超え、売上高が1兆円を超えたドラッグストア企業も出現した。地域になくてはならない存在となり、今後は規模に応じた役割や機能を果たすことも一層期待されていくことになるだろう。
尊敬される企業、尊敬される店舗への道のりは決して簡単ではないと思うが、その目標に向かって様々な取り組みを展開するドラッグストア、JACDSの今後からますます目が離せなくなりそうだ。