
首相指名選挙で投票を行う衆議院議員
鳩山由紀夫第93代総理大臣による民主、社民、国民新の新連立内閣が16日夕、発足した。医薬関係閣僚には民主党議員が顔を並べ、厚生労働相に長妻昭衆院議員、文部科学相に川端達夫衆院議員、経済産業相に直嶋正行参院議員が就いた。
鳩山新総理は初会見で、「脱官僚依存政治を実践し、無駄遣いを一掃する」と宣言。今年度補正予算を、執行停止を含めて見直す意向を表明すると共に、来年度予算については、「今までの手法はゼロベースで考え直す」「年内に編成できるスケジュール感で進めたい」と述べ、菅直人副総理率いる国家戦略局が中心となって、予算の骨格から再構築する方針を示した。社会保障政策の再検討も不可避な状況だ。

新総理に選出され議場を後にする鳩山氏
この日の午後に召集された第172回特別国会では、鳩山民主党代表が、衆院本会議で327票、参院本会議で124票を獲得。衆参とも過半数を制し、1993年の細川連立政権以来、16年ぶりに政権交代を果たした。衆院選に勝利した野党による新政権樹立は戦後初めて。今後、連立政権の政策合意事項や、民主党政権公約の実現に向けた作業が進めれることになる。
鳩山新総理は初会見で、喫緊の課題として年31・2万円の子ども手当て創設や暫定税率の廃止を挙げ、10年度に必要な財源確保について、「少なくとも初年度の7兆円余りはメドが立つと確信している」と自信を見せた。医師不足解消や後期高齢者医療制度廃止には言及がなかったものの、10年度から手をつけることが政権公約に盛り込まれており、早い段階で遡上に載ることが予想される。