日本CRO協会は2月27日、2011年の年次業績を発表した。総売上高は、前年比5%増の1192億円と一桁成長を確保し、回復基調を示した。
11年の会員総売上高は、1192億円。売上高に占める領域別割合を見ると、医薬品が86・2%、非臨床が7・5%と前年並みとなったが、その他(セントラルラボ、システム構築、臨床研究など)が4・9%と増加した。業務別の割合では、モニタリングが53・0%と微減傾向が続いたが、DM・統計解析は23・2%と増加に転じた。
一方、受注プロジェクト数を見ると、モニタリングが約45%増、DM・統計解析が約24%増と拡大したが、売上高はモニタリングが4・4%増、DM・統計解析が8・4%増にとどまったことから、小規模なプロジェクトが増加したことが考えられた。
また、その他(国内管理人業務、IT支援など)の受注プロジェクト数は拡大傾向を示し、医薬品業務の売上高でも、その他(生物学的同等性試験、臨床研究など)の割合が増加したことから、CRO業務の多様化が一層進んでいる実態が浮かび上がった。
顧客別の割合では、内資系65%(66%)、外資系35%(34%)となった。過去5年で内資系の割合が減少し続ける一方、外資系の割合は増加の一途をたどっていることから、開発品目が豊富な外資系の存在感が大きくなっていることがうかがえた。
医薬品関連モニタリングプロジェクトの疾患領域別内訳を見ると、最も多かったのが癌、次いで中枢神経系、その他代謝性医薬品と前年同様の結果となった。プロジェクト総数のうち、マルチナショナルスタディの割合は22・2%(12・9%)、EDC使用試験は44・5%(37・6%)と増加した。
12年の総売上高は、8%増の1291億円を予測し、一桁成長を確保する見通し。