オーガナイザー
吉岡靖雄(阪大微研・先導・院薬・C iDER・CAMaD・MEI)
國澤純(医薬健栄研)
COVID-19も一つの契機となり、mRNAワクチンを含め、様々なワクチン開発研究が世界中で精力的に進められている。一方でこれら研究を通じ、今後のワクチン開発に向けた課題がより一層浮き彫りになってきた。例えば、▽mRNAワクチンの副反応▽mRNAワクチンの免疫持続期間の乏しさ▽高齢者の免疫応答の乏しさ▽マウスとヒトにおける免疫応答の違い▽粘膜ワクチン開発の困難さ――などが挙げられる。これら課題の克服に向けては、これまで以上に、研究領域の垣根を超えた異分野融合研究が必要不可欠となっている。
一例として、有機化学を駆使した新規mRNAが、mRNAワクチンの有効性・副反応を飛躍的に改善し得る可能性や、高齢者におけるヒト免疫学の理解が新たな高齢者用ワクチンの開発につながる可能性があろう。
そこで本シンポジウムでは、上記を含めたワクチン学における現状の課題を整理すると共に、課題克服に向けた研究戦略を第一線の先生方にご講演いただき、今後の新たなるワクチン学研究(シン・ワクチン学)について議論したい。
(吉岡靖雄)