富士フイルムは7日、消化器内視鏡検査・治療の一つである内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP)実施時にX線透視画像と3D画像を重ねて表示し、ワークフローの効率化に貢献するソフトウェア「VisualAID -ERCPプランニング-」を富士フイルムメディカルを通じて販売を開始した。
同製品は、同社のX線透視装置「CUREVISTA Open」「CUREVISTA Apex」で撮影した画像を、DICOM通信を用いて専用端末で読込・動作するソフトウェア。内視鏡検査中に撮影したX線透視画像は自動的に専用端末に送信され解析される。
解析された透視画像は、検査前のMRI撮影によって作成された3Dの核磁気共鳴胆管膵管造影(MRCP)画像によるプランニング結果と重畳表示されることで、解剖学的構造の把握が容易になる。また、重畳された3D画像は回転や透過率の調整が可能で、2D画像だけでは関心部位が見えにくい状況でも、胆管・膵管の分岐や肝門部、肝内胆管などの複雑な走行を、医師が確認することができる。
さらに、肝内胆管は、肝臓内の栄養血管区分(クイノー分類)に基づく領域単位で、表示/非表示の切り替えなどを簡単に行うことができる。近接臓器である胃、膵臓、十二指腸を重畳表示することもでき、これにより、特に肝内胆管がターゲットとなるX線ガイド下の内視鏡手技において、肝内胆管の解剖構造や目標胆管の位値関係が把握しやすくなる。
同製品を活用することで、ERCP手技中での関心部位への到達や治療に対して3D構造の把握が容易になり、より安全に手技を行えることが期待される。
同社はこの製品を、11~13日にパシフィコ横浜で開催される「2025国際医用画像総合展(ITEM2025)」、ならびに5月9~11日に札幌市で開催される「第109回日本消化器内視鏡学会総会(JGES)」に出展する。