ナリス化粧品は、主力商品である「ふきとり化粧水」について2024年度(24年4月から25年3月)の「企業別国内販売動向調査」を実施。その結果、10年連続で国内シェアNo.1であることがわかった。
同社は15年度(16年8月実施)から、ふきとり化粧水の企業別国内販売動向調査を実施している。15年度に170億円だった市場規模は19年度には199億円と順調に拡大していたものの、その後はコロナの影響によるインバウンド需要の縮小や緊急事態宣言発令による店舗の休業など各社ともに低調となり、20年度は170億円となった後は横ばい傾向が続き、24年度は168億円となっている。24年度の同社の構成比は14.6%という状況だ。
同社調査によると、各社の状況に関しては、ふきとり化粧水の新規参入や低価格化、また1品でスキンケアできるふきとり化粧水が増加。フェイスマスクやトナーパッドなどの新しいアイテムが増加しているのも昨年度の傾向となっている。
同社のこれまでの調査では、ふきとり化粧水の使用者は美容意識が高い人が多く、その理由として通常は1品で済む化粧水のステップが「ふきとり化粧水」と「化粧水」の2ステップになることから、それでも美容のために使いたいと思う人がメインの使用者であると捉えてきた。しかしながら、近年は1品でスキンケアを完了できることや、シートマスクなのでコットンが不要であるといった簡便さなどが受け入れられている傾向がみられ、ふきとり化粧水のアイテムの広がりや低価格化、使用シーンの変化がみられるという。
そうした傾向は同社でも同様で、高価格ブランドが売り上げを下げる中で、ドラッグストアなどの一般流通で販売しているナリスアップブランドの「ネイチャーコンク」の販売が好調に推移しており、前年対比115%と伸長。また、ナリス化粧品ブランドにおいて比較的低価格帯の「ルクエ」ブランドは、百貨店などのポップアップ出店でも好調な結果が得られている状況だ。
なお、構成比の売上高は同社のナショナルブランドに限り、ナリスブランド以外のOEM品、海外品は含まれない。
同社では変化するニーズをとらえ、今後もふきとり化粧水の理解促進・認知拡大・正しい使用方法の伝達などに努め、市場の活性化を図りたい考え。