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「変化」掲げ前進する協励会

2025年07月11日 (金)

 77年という歴史を有している日本薬局協励会(協励会・佐野智会長)は、基本理念に「最大よりも最良の薬局たらん」を掲げている。この基本理念の実現に向け、協励薬局では基本目標である「国民の健康づくりへの貢献」「協励精神の高揚」「協励薬局の繁栄」「会員の増加および育成」「事業部門の強化」に関して理解し、協力し、そして取り組みの強化を日々図っている。

 その協励会が今年、年間テーマとして定めたのが「『変化』―高めよう協励精神」だ。これまで年間テーマには四文字熟語が多かったが、今年、「変化」を取り上げた背景の一つには、会員の平均年齢が高くなってきている中、組織の若返りを図っていきたいという考えがある。また、もう一つの「変化」の背景として、来店客層の若返りに取り組んでいく時期に来ていることもある。

 この「変化」について協励会の佐野会長は、「すべてを変えるという意味だけではない」との考えを強調している。協励会では、「温故知新」というものを大切にしてきており、佐野会長の示した考えには、77年という長い歴史を積み重ねる中で、昔からきちんと培い、今後も続けていくべきところは大切に守り続けていき、その一方で、時代の変化に応じて、変えなくてはならないところは新しく変えていくという思いが込められているのではないだろうか。

 また、年間テーマには「高めよう協励精神」の文言も盛り込まれた。6月21、22の両日、東京有明の東京ビッグサイトで開催された第76回東京全国大会では特別講演講師にアーティスティックスイミング元日本代表ヘッドコーチを務めた井村雅代氏を迎えたが、この人選に関して佐野会長は、「井村先生から講演を通して協励会員を鍛えてほしいと思っているのは、いわゆる心だ」と説明。協励精神を鍛えるという観点での期待を明らかにしている。

 今の時代、調和を取ることを重視し、他とは違うことをしたり、他とは異なる方向へ進むことに恐れを抱いてしまうという側面も確かにあるように思う。佐野会長は、「独自性や特殊性を出すことを恐れる薬局経営者が少しずつ増えてきている」と指摘する。その一方で、「しっかりと協励の心を持って協励精神を高め、自信を持って前に進み、独自性を出していく時期なのではないか」と訴えてもいる。

 変わっていくこと。変わらずにいること。そのどちらか一方に偏ってしまうのではなく、例えばそれらを両輪にして進んでいくことも大切なのではないかと思う。歴史と共に培った、守り続けていくものを土台にして、高めた協励精神を携え、変化を恐れずに独自性を発揮することで、10年後、20年後、そして30年後においても、地域住民に信頼される薬局づくりに励んでいる協励会および協励薬局の姿を期待し、今後も注目し続けていきたい。



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