
3Dプリンターで作製した総義歯
三井化学は1日付で、同社100%子会社であるドイツのKulzer GmbHの日本法人であるクルツァージャパンが販売する3Dプリンターで作製する義歯用材料が、中央社会保険医療協議会の了承を得て、総義歯を対象に保険適用となったと発表した。3Dプリンターで作製する義歯用材料が保険適用となるのは、日本初の事例となる。
上下顎の総義歯は、年間約18万人が作製しているとされている。従来の総義歯は、熟練した歯科技工士の手作業によって作製されてきたが、歯科技工士の高齢化による定年や30代以下の若手技工士の離職による人材不足が深刻化し、総義歯の安定供給が懸念されてる。
同社グループでは、これらの社会課題を解決すべく、2020年から歯の配列や歯肉のデザインを3Dプリンターで造形して総義歯を作製する技術を日本市場に展開してきている。クラウドベースのソフトウェア上で作成したデザインをもとに、専用インクを用いて総義歯の歯肉部分と歯部分を造形、接着、後重合することで総義歯を作製する。
この技術によよって、従来は歯科技工士が長時間かけていた作業の短縮化が期待でき、技術に依存せず均質な品質の総義歯を安定供給できる。今回の保険適用によって、歯科治療の選択肢として3Dプリンターで作製する義歯用材料の社会実装が進むことが期待される。
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