日本医療機能評価機構が3月27日公表した第84回「医療事故情報収集等事業」報告書によると、2025年の医療事故情報の報告件数は6118件に達し、前年を上回った。報告項目の見直しや歯科診療所の参加拡大が件数増加の背景にある。報告書では、クリニカルパス運用時の事例や、消化器手術で胃管などを巻き込んだ事例を重点的に分析し、医療安全確保に向けた具体的な課題と教訓を示した。
報告書は、2025年10~12月に報告された事例をまとめたもの。2025年1年間の医療事故情報の報告件数は6118件で、事業開始以降、過去最多となった。報告義務対象医療機関からの報告が5409件、任意参加の医療機関からが709件だった。
報告件数の増加には、2025年4月に実施した報告項目と報告システムの改定が影響した。現場の実態に合わない項目を見直し、背景や要因、再発防止策を含めた報告を行いやすくした。また、歯科診療所を対象とした歯科ヒヤリ・ハット事例収集事業の開始により、参加医療機関数が大幅に増えたことも特徴だ。
分析テーマの一つとして、クリニカルパスに関連した事例を取り上げた。クリニカルパスは、診療内容や業務工程を標準化し、多職種で治療計画を共有するためのツールだが、報告書では、パスに過度に依存した結果、患者の状態に合わない対応が行われた事例が示された。食事中止患者への誤配膳や、検査指示の未実施などが代表例で、パスに記載がないことを理由に必要な対応が遅れたケースもあった。
報告書は、パスはあくまで補助的なツールであり、患者の状態を評価したうえで柔軟に判断する姿勢が重要だと指摘する。正常性バイアス、つまり「パスに書いてあるから正しい」と思い込む心理が、事故の一因になる点にも注意を促した。
もう一つの分析テーマは、消化器手術時に胃管やイレウス管などを巻き込んで吻合・縫合した事例だ。2020年から2025年までに24件が報告され、鏡視下手術やロボット支援手術で多く発生していた。触覚による確認が難しい手術環境に加え、執刀医と麻酔科医のコミュニケーション不足が背景にあった。
特に、胃管を「抜いてほしい」という依頼が正確に伝わらず、抜去や引き抜きの長さに認識のずれが生じた例が目立った。報告書では、数値を用いた具体的な指示と復唱確認、処置後の再確認など、医師間の連携強化を再発防止策として挙げている。
医療事故情報収集等事業は、事故の責任追及を目的としたものではなく、再発防止と医療の質向上を狙いとする。報告書は、件数の多寡だけでなく、教育的価値のある事例を共有する重要性を強調する。評価機構は、今後も医療機関や製薬企業、医療機器関連企業を含む関係者に情報提供を行い、医療安全文化の定着につなげたい考えだ。
*この記事は生成AIで作成しました。
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