
低分子・中分子医薬品の反応条件スクリーニング用のロボットHTE自動化装置「AtmosOrchestra」
島津製作所は19日、アステラス製薬と共同で、低分子・中分子医薬品の反応条件スクリーニング用のロボットHTE自動化装置「AtmosOrchestra」を開発したと発表した。同装置は、医薬品の開発初期における煩雑なサンプル合成工程を産業用ロボットや同社製分注装置などによって自動化し、全工程の無人化を実現する特別仕様機となっている。4月下旬からアステラス製薬つくば研究センターに導入されている。
HTE(High-Throughput Experimentation、ハイスループット実験)は、創薬における化合物探索やプロセス化学における反応条件の最適化などをロボットやAI(人工知能)を用いて高速で並行的に実施する手法。低分子医薬品の創薬から安定供給への工程で欠かせない「CMC」(Chemistry, Manufacturing, and Controls、化学・製造・品質管理)の研究では、合成する原材料の種類や割合、反応温度や撹拌条件などの膨大な組み合わせから最適な合成条件を見つけるためのスクリーニング実験を重ねている。近年は、最適条件探索サイクルにおける「分析」「解析」が効率化されてきたため、人手を介する「実験」がボトルネックになることが多くなっていた。
同装置で自動化した実験工程は、「分注」(サンプル溶液を専用プレートへ注入)、「溶媒乾燥」(専用プレート上の溶液を遠心濃縮機で乾燥)、「分注」(反応に必要な別の溶液を専用プレートへ)、「反応」(揮発防止のフタをした状態で加熱し、反応が進みやすい温度で温調しながら攪拌)、「溶媒乾燥」(専用プレート内の溶液を再び乾燥)となっている。
各工程を実行する機能モジュールやロボットアームなどを反応チャンバーに収納し、装置の稼働時は化合物の酸化や吸湿を避けるため、反応チャンバー内を窒素で置換している。
主な特長としては、8連加熱撹拌モジュールとLC用オートサンプラによる高速合成が挙げられる。8台の専用加熱撹拌モジュールと3台の分注装置によって、一度の稼働で最大768サンプル(96検体バイアル?8枚の専用プレート)の処理が可能となっている。長時間の反応実験を夜間や休日に無人で実施でき、省人化とスループット向上が図れる。
また、専用反応チャンバーとロボットによる低酸素・低露点下での合成が挙げられる。スクリーニング実験では酸化や吸湿を嫌う化合物を扱うため、同装置は反応チャンバー内に各機器を内包して、低酸素かつ低湿度下での化学反応を可能にしている。反応チャンバーの前後に設置されたパスボックスから試薬供給や完成サンプル回収が可能で、効率的で試験実施を支援する。
さらに、条件探索スクリーニングに適したソフトウエアを搭載している。最適な条件を探索するスクリーニングにおいては、複雑な条件設定に基づくサンプル合成が必要となる。条件設定など実験開始時には、同社製品の制御ソフトウエアである「LabSolutions DB」を使用することで条件設定を容易にし、アカウント管理や自動レポート作成機能などサンプルのトレーサビリティも確保している。
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