4月1日から改正道路交通法の施行で、自転車運転に対する交通反則通告制度(青切符)の適用が導入された。16歳以上を対象に、信号無視や逆走、ながらスマートフォンなど113種類の違反行為が反則金の対象となった。
歩道走行は原則禁止だが、標識設置場所や13歳未満、70歳以上、身体の不自由な人には例外が設定されている。年齢や状況でルールが切り替わる「原則と例外が併存する制度」をどう根付かせるかという課題はある。
一方、今月1日、改正医薬品医療機器等法に基づく指定乱用防止医薬品の販売規制が本格施行された。若年層を中心とした市販薬オーバードーズの深刻化を背景に、これまでの省令・通知レベルの努力義務から、法律に基づく義務となった。
今回、指定乱用防止医薬品はデキストロメトルファン、ジフェンヒドラミンを追加し8成分へと拡大された。制度運用のポイントは「指定成分が含まれているか否か」だけでは判断できない点だ。同一成分でも、外用剤やトローチ剤は乱用実態が確認されていないことから規制対象外で、成分だけでなく剤形も含めた判断が求められる。
薬局・ドラッグストアで販売する薬剤師や登録販売者に課される義務は、年齢確認、他店購入状況の把握、購入理由の聴取、乱用リスクの説明と理解確認、適切な陳列管理、販売手順書の整備──など。特に18歳未満への販売は、小容量・1包装限定、対面(またはビデオ通話)による販売が必須とされている。
これらの行為は、単なる販売制限ではなく、乱用を防ぐための対話プロセスであることが重要だ。購入者の言動や反応からリスクを読み取り、必要に応じて販売を見送る判断を下す役割を店頭で担うことになる。
今回の検討で「指定されなかった成分」への対応も留意する必要がある。例えば、カフェインは乱用リスクが指摘されるものの一律指定は見送られた。海外規制例のあるアリルイソプロピルアセチル尿素なども除外された。とはいえ、それらが安全であると誤解してはならないだろう。
制度の線引きと健康リスクの線引きは必ずしも一致しない。今回の制度は、そうしたズレを補い、利用者に対し薬剤師や登録販売者などの専門家が正確な説明と理解を促すことを前提に成り立つとも言える。
自転車の青切符制度と、指定乱用防止医薬品の規制。両者に共通するのは、ルールを細かく設計しつつ、最終的な理解と納得を現場に委ねている点だ。警察官、薬剤師・登録販売者にはそれぞれの法律のもと、制度と生活者をつなぐ役割が期待されている。
今後は単なる取り締まりや販売制限ではなく、なぜそのルールがあるのか、どこまでが許され、どこからが危険なのか。その意味を社会全体で共有していくことが必要になるのではないか。



















