TOP > 社説 ∨ 

OTC類似薬問題に供給懸念の声

2026年04月03日 (金)

 OTC類似薬の薬剤費の追加負担を患者から徴収する制度を盛り込んだ健康保険法等改善案が閣議決定され、国会審議に付される。成立すれば、来年3月の施行が予定されている。

 審議では、治療への影響に加え、医薬品の製造・供給体制、薬局での説明業務への影響についても十分な審議を求めたい。企業の製造現場、薬局の現場への影響を懸念する声が上がっているからだ。

 厚生労働省は、新制度について▽医療用医薬品の給付を受ける患者とOTC医薬品で対応している患者との公平性の確保▽現役世代を中心とする保険料負担上昇の抑制――の観点から行うものだと説明している。提案段階では健康保険から外す案もあったが、患者団体からは癌や皮膚疾患、難病などの治療にもOTC類似薬は用いられており、費用負担が増加し治療や生活への悪影響を及ぼすとの懸念が示された。その懸念に厚労省は「配慮措置を検討する」との考えを示しているが、懸念を払拭する具体策のしっかりとした審議を求めたい。

 一方、企業の製造現場、薬局の現場で想定される懸念については十分な議論があったとは言い難い。そこで本紙は2月に行った製薬企業を対象にした薬価改定アンケートで、OTC類似薬の新制度により想定される事業や市場、医療現場への影響を尋ねた。全回答の半数の25社から様々な意見が寄せられ、関心の高さがうかがえた(主な意見一覧は6日号に掲載)

 企業からは患者団体が指摘する治療継続への配慮のほか、主に▽追加負担対象薬以外の同種同効薬へのシフトが起こる▽セルフメディケーション推進が重要になる▽長期収載品の選定療養導入時以上に薬局薬剤師の患者説明負担が増す――の3点の指摘があった。

 同種同効薬シフトについては「処方行動や受診行動が変化し、医薬品の需要構造に一定の影響が生じる可能性もある。医療機関側で処方薬が対象外の成分や剤型へシフトする可能性がある。その結果、特定の医薬品に需要が集中するなど需給バランスが短期間で変化する可能性も考えられる」(内資系後発品メーカー)との声があった。

 セルフメディケーションの進展で「医療用医薬品の市場が減少するようなことがあれば、処方薬専業メーカーでもOTC薬を製造する可能性もあり、少量多品種からの脱却とは逆行する。新たな投資などの対応も必要になることを懸念する」(同)との意見もあった。

 業界関係者には、医療用薬と一般薬は製造販売、供給ルートが異なる場合があり、需要変動に応えられない供給問題があるのではないかとの見方もある。必要な治療を継続的に行うには、製品の安定した製造と供給が前提となる。患者の不安はもとより、実務に携わる業界関係者の懸念についても審議し、制度設計をしていく必要がある。



‐AD‐

この記事と同じカテゴリーの新着記事

HEADLINE NEWS
ヘルスデーニュース‐FDA関連‐
医療機器・化粧品
新薬・新製品情報
人事・組織
無季言
社説
企画
訃報
寄稿
研修会 セミナー 催し物
薬剤師認定制度認証機構 認証機関の生涯研修会
薬系大学・学部 催し物
薬事日報
薬学生向け情報
Press Release Title List
Press Release Title List:新製品
行政情報リスト
登録販売者試験・日程一覧
購読・購入・登録
新着記事
年月別 全記事一覧
アカウント・RSS
RSSRSS
お知らせ
書籍・電子メディア
書籍 訂正・追加情報
製品・サービス等
薬事日報 NEWSmart
「剤形写真」「患者服薬指導説明文」データライセンス販売
FINE PHOTO DI/FINE PHOTO DI PLUS
新聞速効活用術