新ソリューションを開発‐スライドや抄録からも抽出
シャペロンは、医薬品安全性情報管理(PV)の新たなソリューション「Shaperon Safety Intake(セーフティー・インテーク:仮称)」を開発した。既存の「有害事象検知AI」を発展させ、講演会スライドや学会抄録など決まった形式ではない資料を対象に、安全性情報の発見からその根拠、転帰、因果関係に関する記載などの抽出や整理までを一貫して支援する。単発の検知ツールにとどめず、同社共通のAI実行・統治基盤上で稼働させる。
最終的な判断や社内手続きは企業側が担うが、その前段階にある膨大な確認作業をAIが支援し、業務の効率化と情報品質の向上を図る仕組みだ。
同社は差別化要因として、精度の高さだけでなく▽判断の根拠を後から説明できる▽処理履歴や確認経緯を追跡できる▽各製薬企業の業務手順に合わせて運用できる▽AIの改良を重ねても判断基準がぶれない――の4点を重視する。既存の安全性情報管理システムを置き換える必要がないこともポイントだろう。
また、利用企業の確認結果を取り込みながら継続的に精度を高めていく仕組みも特徴だ。それにより担当者個人の経験やノウハウなど属人化しがちな安全性評価の考え方を企業の知見として蓄積し、組織全体の能力向上につなげる。
開発の背景には、近年、安全性情報の発生源が増加し、PV部門で収集・評価すべき情報量が急速に増えていることが挙げられる。一方でPV業務は見逃しが許されず、規制当局への報告期限も厳格であるため、業務へのAI導入には慎重になりがち。
そこで同社は、「どの業務をAIに任せ、どの部分を人が担うのか」「いかに信頼性を確保するのか」という企業側の問いに応える形で開発を進める。
その開発の土台となっているのが、グループとして蓄積してきたPV業務の知見だ。同社は今年、安全性情報の調査報告・SDI(選択的情報提供)サービスを50年以上手がけてきた海外医薬情報研究会をグループ化した。国内外の主要論文雑誌・学会誌から安全性情報を抽出・報告してきた長年の専門性と運用ノウハウが「Safety Intake」の開発を支えている。
主要な想定ユーザーは国内企業のPV部門だが、信頼性保証やコンプライアンス、デジタル化推進など各部門からも関心が寄せられているという。現在は複数の国内大手企業でトライアルやPoCが進められている。
検出チャネルについてはまずは講演会スライドと文献を中心に据えつつ、コールセンターへの問い合わせ記録やMRからの報告資料などへ広げることも視野に入れる。
同社は「AI導入に慎重な領域だからこそ、効率化だけでなく、説明でき、記録が残り、継続的に品質を高められることが欠かせない。人とAIが役割を分けて使う形を前提に設計している」と説明している。
シャペロン(Shaperon Safety Intake)
https://ai-safety.shaperon-inc.com/?utm_source=article&utm_medium=qr&utm_campaign=yakujinippou




























