AI-PV導入前に検証‐企業の説明責任を支える

集氏
ヒロファーマコンサルティングは、医薬品・医療機器企業向けにAIを活用したファーマコビジランス(PV)業務(AI-PV)の導入検討を支援する「AI活用PV業務POC/FS支援サービス」を開始した。AIを活用したPV業務に関する正式な規制文書が日本規制当局から発出されていない中、AI-PVの導入前に実現可能性や信頼性を検証し、将来的な説明責任に対応できる体制構築を支援する。
近年、PV業務ではAIによる業務効率化や品質向上への期待が高まっている。海外では症例処理にAI技術を組み込んだシステムの活用も始まっているが、実運用に当たっては判断の信頼性や説明可能性、監査対応、人による適切な監督体制の構築が課題となっている。
同社は、AI-PVシステム向けの信頼性保証フレームワークと方法論を開発し日本国特許を取得、PCT国際特許出願も行った。AIの出力をAIで評価するのではなく、医師やPVスペシャリストによる評価を参照基準としてAIの判断を検証する考え方を提唱している。
新サービスでは、この考え方に基づき、POC:プルーフオブコンセプト(概念実証)やFS:フィージビリティスタディ(実現可能性検証)の段階で、品質、規制、運用、ヒューマンオーバーサイトの観点から評価設計や判断基準の策定を支援する。
利用目的や適用範囲、リスク、人による確認方法、評価手法を明確化することで、AI導入の妥当性を実務的かつ説明可能な形で示せるようにする。
対象業務は、有害事象症例の受け入れや分類、優先度判定、重篤性判定支援、文献スクリーニング、症例該当性判断、関連性評価支援など。
集弘就代表取締役は、「欧米の規制当局は、AIを利用する機能や目的(Context of Use〈CoU〉)を明確に定義した上で、リスクや患者安全への影響を評価し、企業自ら説明責任を果たすことを求めている」と指摘。AI活用の妥当性を示せる検証体制の必要性を訴える。
同社が考案したPOCやFSサービスは、世界中から報告される有害事象症例の中から一定数を無作為抽出し、AIと人の評価結果を統計学的手法で比較する。
二項分類や統計的検定など、製薬・臨床分野で広く用いられている統計手法を活用し、95%または99%の信頼水準で一致度を評価する仕組みだ。
集氏は「評価頻度はリスクや運用実態に応じて企業が設定し、その結果を保存する。査察時には評価方法や頻度、結果を示すことで、日常PV運用にAIを適用している信頼性を、統計的・合理的に説明ができる」と話す。
今後、PV業務でのAI活用拡大が見込まれる一方、国内ではAI搭載の安全性情報管理システムを用いた本格運用には至っていない。同社は導入検討段階から企業を支援することで、AI活用の普及を後押ししたい考えだ。
集氏は「臨床試験の統計解析でSASが事実上の標準となったように、AI活用PVのバリデーションでも当社のHPVM手法をAI-PVの標準的な検証アプローチとして定着させたい」と語った。
ヒロファーマコンサルティング
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