AIソリューションリリース‐均質・高精度な症例評価

左から平氏、神田氏
DXCテクノロジー・ジャパンは、新たな医薬品安全性情報管理(PV)業務を支援するAIソリューション「PVバーチャルアシスタント」をリリースし、導入拡大に注力している。業務の中での専門性が高く、業務ノウハウが属人的になりがちな症例評価をより均質に精度の高く行えることを謳う。
同社は30年以上にわたり、PV業務の効率化を支援するシステム「ClinicalWorks/ADR」(CWA)を提供している。35社以上が利用する。その実績の蓄積を生かし、症例評価業務に対し、主にCWAと連携させる形で「PVバーチャルアシスタント」を開発した。
CWAなどに蓄積された症例データを自然言語で検索・分析できる。利用者はチャット形式で「特定の患者背景を持つ症例はあるか」などの質問を投げかけ、関連症例の検索や要約、過去症例との比較などを行える。従来のようにデータベースから症例を検索し、担当者が一件ずつ確認することはなくなる。
開発の背景には、症例評価業務におけるノウハウの属人化がある。入手した情報だけで直ちに結論を導けるケースばかりではなく、症例を見極め、追加調査の要否などの判断が求められるが、ベテラン担当者の経験に依存する要素が大きい。
同社は、▽過去の類似症例やその際の判断、その根拠をAIが提示することでベテランではなくとも判断の過程を学べる環境整備▽組織全体の評価レベルの向上▽蓄積した情報やノウハウを資産として生かせること――が可能と説明する。
一方で、PV領域ではAI活用に対して慎重な姿勢が根強い。安全性評価という高い信頼性が求められる業務であることに加え、AIの判断根拠が見えないブラックボックス化や誤情報の創出の懸念があるためだ。
こうした課題に対し、PVバーチャルアシスタントでは、回答の根拠となった症例や情報を提示し、AIがどのようなプロセスで結論を導いたかを説明できる機能が備わる。
欧米当局がAI活用ガイダンスで求める「説明可能なAI」に対応することで、ユーザーが結果を検証しやすい環境を提供する。
また、参照データをCWAなどの特定のシステム内に蓄積された症例情報に限定することで、誤情報を生成するリスク低減も図っている。
さらに、監査証跡やログ管理についても、規制当局の要件を踏まえた対応を進めている。
導入状況については、現在、顧客によるPoC(概念実証)段階。出力結果そのものについては好評を得ているという。一方で、プロンプト入力による結果のばらつきや操作性など改善すべき点も残されており、使い勝手の向上に取り組んでいる。
近年、製薬業界でもAI活用への関心が高まっている一方、安全性部門でのAI導入は慎重となっている空気をCWAの責任者を務める平清氏は「むしろわれわれにはチャンス」と捉える。大企業向けシステムは導入しにくいと感じている国内中堅企業、新薬上市を目指し、業務体制を整える必要があるバイオベンチャーに積極的に訴求していく方針だ。
「PVバーチャルアシスタント」の担当者の神田夏氏は「私たちはAIによって人を代替するのではなく、PV部門の一人ひとりの業務を支え、業務の効率化を進めていきたい」と同社のスタンスを説明する。
DXCテクノロジー・ジャパン(ClinicalWorks/ADR)
https://dxc.com/ja/cp/industries/life-sciences/clinicalworks-adr
























