クラボウのバイオメディカル部は、富士フイルムと核酸自動分離事業の譲渡契約を結んだ。クラボウが同事業の生産・販売を引き継ぎ、1日から事業展開を開始した。
クラボウバイオメディカル部は、主力事業の一つとして核酸自動分離装置と関連試薬・サンプルチューブを開発・販売しているが、さらなる事業拡大のためには、海外市場への販売展開、国内・海外市場での診断用サンプル前処理用途への進出が課題となっていた。
今回、こうした課題を解消するため、特殊膜フィルター技術、フィルター分離方式による核酸自動分離装置の開発・販売で実績のある富士フイルムの核酸分離事業を譲り受けることを決めた。
1サンプルからの核酸回収量が多く、基礎・臨床研究分野に適した同社のケミカル分離方式と、富士フイルムから譲受した低価格のフィルター分離方式によるシナジー効果により、売上拡大を目指す。
海外市場については、売上増が期待できる欧州、アジアを中心に、クラボウの既存代理店と富士フイルムから引き継いだ代理店を活用しながら、販売拡大を目指す。
特にアジア市場では、低価格な装置がラインアップされることで、急速な市場開拓が期待できるものと見ており、2012年度の販売目標6億円を見込んでいる。