肺癌治療薬「イレッサ」の副作用をめぐり、死亡した患者遺族が国とアストラゼネカに対して損害賠償を求めていた裁判で、最高裁判所は12日、アストラゼネカに対する患者側の上告を退ける判決を言い渡した。これにより、企業の賠償責任を否定した二審・東京高裁判決が確定。国に対する賠償請求は、今月2日に最高裁が上告を棄却する決定をしており、一連の訴訟は国とアストラゼネカの全面勝訴で幕を閉じた。
イレッサは、2002年7月に世界に先駆けて日本で承認されたが、販売直後から副作用の間質性肺炎で死亡する患者が続出。当時、アストラゼネカは、医師向けの添付文書に「重大な副作用」として記載はしていたが、最も強い「警告欄」での注意喚起は行わなかった。
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