第一三共が開発を進める自社創製の抗体薬物複合体(ADC)で大きな進展があった。抗HER2ADC「DS-8201」では、非小細胞肺癌を対象とした第II相試験を開始したほか、HER2低発現の再発・転移性乳癌患者を対象とした日米第I相試験の予備的有効性で、全奏効率50%を達成したことが米国臨床腫瘍学会で発表された。同社のADCで、2番目に臨床入りした抗HER3ADC「U3-1402」についても、HER3陽性の再発・転移性乳癌を対象とした第I相試験で、良好な有用性を示唆する結果が初めて得られた。
「DS-8201」は、HER2過剰発現、HER2変異のある非小細胞肺癌を対象とした第II相で最初の患者への投与を開始した。日米欧で約80人の患者を登録する予定。非小細胞肺癌の4~35%にHER2が過剰発現し、HER2過剰発現とは異なる特徴を持つHER2変異では、全体の約5%に見られると報告されている。現在、HER2過剰発現、HER2変異のある非小細胞肺癌で承認された薬剤はない。乳癌、胃癌、大腸癌に続く第II相試験開始となった。
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