大野記念病院薬剤部の浦田元樹氏はこのほど血液透析による薬物の除去率を予測する式を構築し、5月26、27日に福岡市で開かれた日本TDM学会・学術大会でその概要を発表した。血液透析実施時には血中の老廃物だけでなく体内の薬物も除去される。個々の薬物の除去率を考慮した薬物投与設計が求められるが、多くの医薬品ではインタビューフォーム(IF)に除去率が記載されていない。除去率不明の薬剤でも、この式で予測値を算出することによって、透析患者の薬物投与設計を行いやすくなるという。
浦田氏は「血液透析時の薬物の除去率が分かることにはそれなりの意味がある」と語った。どれだけ除去されるのかが分かれば、薬物の投与量や透析後の薬剤補充量の設計に役立てられる。薬物が除去されにくいのであれば、透析前や透析中の投与も選択肢として検討できる。薬物中毒発生時に、原因薬物を透析で除去できるのかを判断する材料にもなるという。
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