ノーベルファーマは1日、主力品で、低亜鉛血症治療などに用いる「ノベルジン」(一般名:酢酸亜鉛水和物)の顆粒剤を新発売した。既存の錠剤では服用しにくかった小児や嚥下障害を持つ高齢者、重度心身障害者などに服用しやすい剤形として開発した。
商品名は「ノベルジン顆粒5%」。2021年1月に承認され、同年5月に薬価収載されたが、発売してこなかった理由を同社は「当社の想定を上回る使用要望があり、欠品するわけにはいかないと、当局と相談して安定供給を確保するまで発売延期していた」と説明している。
同剤の適応は、指定難病のウィルソン病(肝レンズ核変性症)と低亜鉛血症。中でも低亜鉛血症は、過度のダイエットによる妊産婦、その乳幼児、食生活の偏りや食の細さからくる成人や高齢者と、潜在的に広く存在するとされる。
症状としては、味覚障害、皮膚炎、脱毛、口内炎、食欲低下、下痢、生殖機能障害、傷が治りにくい、感染症にかかりやすい、貧血、低身長(成長障害)、骨粗鬆症が知られている。
ノベルジンの売上高は148億円(21年薬価ベース、対前年24.0%増)で、同社製品の中で最も売上が多い。