アステラス製薬は1日、眼科領域に特化した米国のバイオベンチャーであるアイベリックバイオを約59億ドル(約8000億円)で買収すると発表した。中期経営計画の2025年度目標の達成と、売上の約4割を占めるグローバル戦略品の前立腺癌治療薬「イクスタンジ」の20年代後半の特許満了を見据えた買収で、将来的な事業成長につなげるのが狙い。現在米国で承認申請中の加齢黄斑変性(AMD)の多くを占める地図状萎縮AMDの治療薬候補を獲得し、将来の成長を牽引するグローバル戦略品として見込む。第2四半期中の買収手続き完了を予定している。
アイベリックの従業員は約260人で、そのうち約60人が研究開発、約90人がコマーシャルを担う。地図状萎縮AMDの治療薬として米国申請中のアバシンキャプタドペゴル(ACP)は、網膜細胞の変性を引き起こし、発症や悪化、視力低下に影響するという補体因子C5の阻害作用を持つペグ化一本鎖RNAアプタマー。治験では、視力低下リスクを対照群より56%低下させた。ブレークセラピー指定も受けており、承認後の営業に向け準備が進められている。
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