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【第56回日薬学術大会】和の心―未来へ‐17、18日、和歌山市内5会場で開催

2023年09月06日 (水)

第56回日本薬剤師会学術大会

 第56回日本薬剤師会学術大会(大会運営委員長:稲葉眞也和歌山県薬剤師会会長)が17、18の両日、和歌山市の和歌山県民文化会館、和歌山城ホール、和歌山県立医科大学薬学部キャンパスなど5会場で開かれる。昨年の大会に続き、今年も現地開催だけでなく、ウェブ開催を併用したハイブリッド形式で実施。関西では2013年の大阪以来10年ぶりの開催で、和歌山県で開くのは初めて。薬剤師の今後の職能のあり方などを考える意義深い大会となりそうだ。

会場の和歌山県民文化会館

会場の和歌山県民文化会館

 今大会のテーマは「和の心―未来へ」に設定した。地域の医療や介護提供体制をより良いものにするために、薬剤師は地域の各職種としっかり連携して取り組む必要があるという思いを込めたほか、和歌山の和もかけた。

 稲葉氏は「薬剤師は今後、地域の医師や看護師など医療従事者との連携や、ケアマネージャーやヘルパーなど介護従事者との連携、行政担当者との連携を深めることが重要になる。地域の様々な関係者の信頼を得て、皆で仲良く医療や介護の提供に取り組むことが求められている」と語る。

 同大会のプログラムは、特別記念講演、4題の特別講演、山本信夫氏(日本薬剤師会会長)の会長講演、19題の分科会、薬学生シンポジウム等で構成。このほか約140題の一般口頭発表、約270題のポスター発表がある。

 現地開催に加え、ハイブリッド形式でライブ配信を行う。ライブ配信は、特別記念講演、特別講演、会長講演、分科会、一部の共催セミナーを対象とし、一般口頭発表やポスター発表は現地発表のみとなる。

和歌山県立医科大学薬学部キャンパス

和歌山県立医科大学薬学部キャンパス

 特別記念講演は太田茂氏(和歌山県立医科大学薬学部長・教授)が「薬学部におけるこれからの人材養成」と題して話す。日本薬学会の会頭を務めた経験のある太田氏は、薬剤師の将来展望について深い見識を持つほか、和歌山県立医科大学の薬学部新設計画に構想段階から関わった。これらの経験を踏まえて、同薬学部で行う新たな薬学教育の取り組みなどが示される予定だ。

 4題の特別講演は、「薬剤師って必要なの?―今後、薬剤師に求められる役割とは」富野浩充氏(焼津市立総合病院薬剤部主査)、「新型コロナウイルス感染症パンデミック3年半の振り返りと今後への備え」二木芳人氏(昭和大学医学部内科学講座臨床感染症学部門客員教授)、「進行肺癌に対する薬物療法およびがんゲノム医療について」山本信之氏(和歌山県立医科大学医学部内科学第三講座教授)、「ミトコンドリアを主題とした最新の薬理学研究」新谷紀人氏(和歌山県立医科大学薬学部薬学科教授)が予定されている。

 分科会では、未来を見据えた薬剤師の姿や、海外の薬剤師業務との比較、へき地・過疎地での薬剤師の役割、災害発生時の対応など、盛り沢山なテーマが設定されている。

 県民公開講座は18日の午後2時から和歌山城ホールで開催。中井宏次氏(NPO法人健康笑い塾主宰)が「健康と笑い―人生100年時代楽しく・おもしろく」と題して講演する。

 目標参加者数は、現地5000人、オンライン2000人の計7000人。小規模な都市である和歌山市内には宿泊できるホテルが少ない。大阪府内のホテルから来場する参加者も多いと想定して、朝の開始時間を遅めに、夕方は早めに終わるようにした。5カ所に分散する会場や電車の駅、主要ホテルを結ぶシャトルバスも運行する。今後、他の小規模な都市でも開催地として立候補しやすいように、和歌山市での大会開催を参考にしてもらいたい考えだ。


 【主催】日本薬剤師会、和歌山県薬剤師会

 【会期】17日(日)、18日(月・祝)

 【大会ホームページ】https://www.c-linkage.co.jp/jpa56/



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