専門性の高い活動サポート
医学アカデミー YTLは、ペイシェントセントリシティ(患者中心)を軸に症例ベースで面談し、提案できるMRを育成する教育研修コンテンツの開発、提供に注力する。また製品のスペシャリティ化に伴い、より専門性の高い活動ができるようサポートする。その中で、従来のコンテンツの制作・提供を強化すると共に、医療現場の変化に伴いニーズの高まるコンテンツの提供拡大を進める。
引き続きニーズの高いコンテンツの一つが「症例ディスカッション」で、症例をベースに、医師の診断や治療方針の決定プロセス、治療選択の根拠となるエビデンスなどを、専門医の解説を通して学ぶ。
もう一つの、一昨年末から提供を始めた「症例ドリル」は、症例に基づき患者背景の注目点や処方意図について複数の医師が解説する。
そして、ニーズが高まっているサービスが「Webロールプレイング」。インプットした知識を、効果的にアウトプットできるようにするのが狙いだ。実際の医師を相手に模擬面談し、医師からフィードバックをもらう。終了後は医師にインタビューを行い、印象に残ったMRやその言動、より良いMR活動にするためのポイントなどのアドバイスももらう。
企画制作部メディカル教育課の久保雅樹氏は、「特にハイパフォーマーなMRを集めてロールプレイングを実施して、その映像を教材化するケースも少なくない」と話す。このサービスは、昨年は3領域で提供したが、今年は癌領域や希少疾患を中心に13領域まで拡大しているという。
背景を営業部1課の山田悟生氏は、「これまではプライマリーの製品であれば社員同士のロールプレイで十分教育が可能であったが、スペシャリティ製品が増えるに伴い、実臨床に携わる医師を相手に、実臨床に即した専門性の高い症例ベースのやり取りを行い、フィードバックをいただく必要性が高まった」と説明する。
実際の医師の協力を求めるとなると、依頼する製薬企業も気をつかうところ。山田氏は、「先生に失礼のない、トラブルがないようにしたいというのは当然であり、万全のサポートをする。過去のトラブルへの対応策も示し、間違いなく実施することをお話ししている」と明かす。そうすることで日常診療を終えてから協力する医師の負担を減らせ、質の高いロールプレイングにつながると考えている。
さらに、ロールプレイングとアセスメントを組み合わせるケースも出始めているという。山田氏は「目指すMR像についてメーカーの考えを聞き取り、アセスメント項目の作成を行う。そして、その項目に従ってロールプレイングの収録結果を照らし合わせてアセスメントをするといったイメージ。この需要は強まっていると感じている」と現状を説明する。
そのほか「メディカルスタッフインタビュー」の提案を推進している。チーム医療の広がりと、医師の働き方改革に伴う医療従事者間でのタスクシフトの動きを見据え医師以外の医療従事者の考え方やMRの関与のあり方を知ることができる。インタビューではチーム医療での心がけ、抱える課題、MRがどう貢献しうるのかを聞き、チーム医療の中でのMR活動像の手がかりをつかむ。
患者の気持ちに寄り添うための教材として、「患者インタビュー」も引き続きニーズが高い。発症から診断、治療中、現在という時間軸に分け、疾患が患者の日常生活に与える影響、心情の変化を学ぶことで、患者志向のMR活動につなげることができる。
久保氏は、読者に対し「医療環境が変わってきている中でMRに求められることも変わってきている。その中で貢献できるMRの教育研修をサポートできるよう今後もニーズに応えるサービスを提供していきたい」とメッセージを送る。
医学アカデミー YTL
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