オーガナイザー
藤井由希子(第一薬大薬)
原田浩二(京大院医)
有機フッ素化合物PFASはその難分解性から「永遠の化学物質」と呼ばれている化学物質群である。代表的なPFASはペルフルオロオクタンスルホン酸(PFOS)とペルフルオロオクタン酸(PFOA)であり、2000年以降はその残留性と毒性への懸念からPFASを製造・使用する各社でPFOSとPFOAの製造を自主的に廃止してきた。しかし、過去に使用されたと思われるPFOS、PFOAが環境中に残留し、近年、欧米で水道水濃度や血中濃度についての勧告が相次いで公表されている。またPFOS、PFOA以外の規制対象PFAS、さらに未規制のPFASも多数あり、それらを含めた健康リスク評価に資する研究が必要とされている。
本シンポジウムではこのPFASの最新の状況について「PFASを巡る国内外の取り組み状況」「PFASのヒトバイオモニタリング」「日本におけるPFASのヒト曝露源」「PFASの健康影響:米国の臨床ガイドラインと沖縄県での疫学調査」「毒性学の基礎研究からの知見:PFASの毒性発現メカニズム」「PFASの体内動態:炭素鎖長による違いと動物種差」をテーマに、6人の発表者から報告を行う。
(藤井由希子)