アストラゼネカは22日、再発乳癌の治療に用いる「トルカプ錠160mg、同錠200mg」(一般名:カピバセルチブ)を新発売した。癌の活性化に関与するAKTを選択的に阻害する世界初のAKT阻害剤。
効能・効果は「内分泌療法後に増悪したPIK3CA、AKT1またはPTEN遺伝子変異を有するホルモン受容体陽性かつHER2陰性の手術不能または再発乳癌」。薬価(1錠)は160mg9263.50円、200mg1万1244.30円。フルベストラントと併用し、1回400mgを1日2回、4日間連続して投与し、その後3日間休薬する。これを1サイクルとして投与を繰り返す。
PI3K、AKT、PTENは乳癌の病勢進行に関わる重要な細胞内シグナル伝達経路で、耐性を獲得した乳癌では同経路の抑制が重要とされる。同剤が阻害するAKTは同経路を構成する重要な分子の一つで、そこを阻害することで効果を発揮すると考えられている。
同剤は22日の薬価収載を受け発売された。なお、収載日に即日発売された製品は新薬、新規格・新キットを合わせた10製品だった。