武田薬品は、推進するDXの一環で、製造設備の故障の予兆を察知するシステムを大阪工場(大阪府)と光工場(山口県)に導入した。設備は品質に影響し、ケースによってはロットを破棄しなければならず、原因特定のために製造ラインを止めることにもなる。そこで同社は、機器のIoTセンサーからリアルタイムでデータを取得し、統計的に故障の予兆となる振動など、いつもと異なる設備の状態を捉えた段階で、直近のメンテナンスで対応する。製造を止めない工場にし、医薬品の安定供給につなげたい考えだ。
原薬収量改善の取り組みも
異常を示す上限値、下限値を設定し対応していたが、値に達しないと対応しないという難点があった。そこで同社は、リアルタイムによる▽センサーによる重点機器の集中監視▽製造設備の網羅的監視――の二つのアプローチから、故障の予兆を察知し、トラブルを未然に防ぐ保守を行う「予測型工場」を構築することにした。大阪工場は2021年から実施、光工場は23年にセンサーを設置したという。
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