DXで業務スタイル変革へ‐データ抽出の正確性強みに
アリスグローバルは、大規模言語モデル(LLM)、生成AIなどの先進技術を組み合わせた自動化システム「LifeSphere Nava X」をベースにしたファーマコビジランス(PV)業務の効率化支援について日本での普及に注力する。目指すはPV領域のデジタルトランスフォーメーション(DX)。単なるデジタル化ではなく、業務スタイルそのものの変革する価値を提供したい考えだ。4月に日本法人社長に就任したクリシャナ・ゴパル・ダス氏は、5月から始めた顧客対象である製薬企業担当者を対象にしたデモにおいて十分な手応えがあったことを強調する。顧客サイドからの「自社で機能を評価したい」との声を受け、各社で体験してもらうサービスも始めた。
社長のダス氏は、「PV領域全体において大きな変容の時期を迎えている。費用の最適化、プロセスの最適化、効率の向上が日本市場を含めて迫られている。それをどう達成するのか。キーは、最新技術による自動化にあると考えている」と、PV領域の事業環境を説明する。扱う症例は増える一方、予算は限られる。その中で必要なのはITによる自動化、それによるDXというわけだ。
その新たなソリューションがLLM、生成AIを生かした「LifeSphere Nava X」である。
グローバルと国内のPVを念頭に置いた設計で、言語に依らず対応できる。当然日本語にも対応する。
特徴は、データ抽出の正確性。特に、様々な様式に基づく情報源、非構造データからのデータ抽出の精度を極限まで高め、自動でナラティブを高精度で生成する機能を備えていることが注目される。臨床的な重要な所見、経過を漏らすことなく正確に記述し、同氏は、「技術も機能も十分に実用に耐え得ると考えている」と述べ、コストも労力も大幅に削減できることを強調する。
同氏自身は、ブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)でシステムを使う側の経験がある。そのため自社が持つIT技術を製薬企業のニーズに合った形で提案できる立場にあるとした上で、「日本のニーズを理解して、これまで日本で当社が築いてきた固い事業基盤と高い評価をベースに、さらなる市場開拓をしていきたい」と意気込む。
日本で展開しているデモに対する「反応はとても素晴らしかった」と明かす。デモを受けた企業からはデモどおりの成果が自社で得られるかどうかの評価をしたいという声が寄せられ、機密保持契約を締結した上で「プライベートレビュー」という体験サービスを提供することにした。
営業統括部長の長澤浩氏は「PV業務はコストセンターと言われ続け、非常に保守的なところがある。しかし、最新技術を活用することで単にコスト削減だけではなく、ビジネススタイル、ワーキングスタイルを変革し、経営の品質を変えていくことができる。私たちは、その一助として、今回のソリューションを提供していく」と話す。
社長のダス氏は、「われわれはテクノロジーベンダーとして必要なテクノロジーを持っている。そしてお客様がどんな困難を抱えているか、そのビジネスニーズも理解している。そのニーズに対しテクノロジーで付加価値を提供する。お客様との新しい技術を活用した道のりの第一歩をわれわれは踏み出した。その道のりにどんどん参加していただきたい」とメッセージを送る。
アリスグローバル(LifeSphere NavaX)
https://www.arisglobal.com/