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【第57回日薬学術大会】分科会の見どころ・聞きどころ 今後の感染症対策にかかわる薬剤師の役割

2024年09月17日 (火)

第57回日本薬剤師会学術大会

座長
日本薬剤師会常務理事
橋場元
埼玉県薬剤師会理事
山内大輔

 新型コロナウイルス感染症の世界的な流行は、抗菌薬の開発や公衆衛生の進歩によってコントロールされてきたかに見えた人類と感染症との戦いが、今後も続くことを知らしめた。

 日本では、これまでの感染症対策方針を大きく転換し、7月2日の閣議で「新型インフルエンザ等感染症対策政府行動計画」が決定された。閣議決定された新行動計画では、まず「新型コロナや関連法改正で明らかになった課題を踏まえ、様々な感染症による危機に対応できる社会の実現を目指す」と明記した上で、「平時からの備えを強化する」としている。

 具体的には、国や全国の関係自治体が「平時から実効性のある訓練を実施し、不断の点検・改善を行うべき」としている。地方自治体に対しては、感染症発生時の関係機関との協定締結や、実際に発生した場合の医療・検査体制の早急な確立を求めると共に、日頃からの協力体制やネットワークの構築の重要性も指摘している。

 また、感染症については、新興感染症だけが現代社会の問題ではなく、世界中で抗菌薬が薬効を示さない耐性菌群が急激に増大している状況への対策、すなわちAMR対策が急務となっており、ワンヘルスアプローチの考えのもと、さらに対策を推進していく必要がある。日本においても2023年に改訂された「薬剤耐性対策アクションプラン2023-2027」を軸に多岐にわたるAMR対策が実施されている。

 本分科会では、新興感染症対策における薬剤師の重要性や、都道府県知事との医療措置協定を通じ、薬剤師が地域における保健・医療体制の一翼をどのように担うことができるかについてご講演いただく。また、第8次地域保健医療計画における感染症予防計画がどのようなものであるかについても具体的にご講演いただく。

 AMR対策については、薬剤師を含む多職種のAMR対策チームがどのように連携し、抗菌薬の使用を管理・監視し、適正化しているか、病院および薬局においてそれぞれの具体的な取り組みについてご講演いただく。

 各演者のご講演により、感染症対策における薬剤師の役割をより深くご理解いただくと共に、現場での実践を推進するための一助となれば幸いである。

 (橋場元



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