第57回日本薬剤師会学術大会
座長
日本薬剤師会理事
井深宏和
埼玉県薬剤師会副会長
齊田征弘
本分科会では、医薬品適正使用の推進の中で今回はポリファーマシー解消について実際に取り組んでいる事例から考え方、手法を学び理解を深めていくことに焦点を当てる。
基調講演として厚生労働省医薬安全対策課の野村由美子氏から、厚労省では高齢者医薬品適正使用検討会を設置し、高齢者の医薬品適正仕使用の指針総集編および各論編を策定等、手順書運用や指針の有効性の検証や課題を踏まえた指針の見直し等を行っており、その紹介と医薬品の適正使用の主軸を担う薬剤師への期待について講演いただく。
次いで国立長寿医療研究センター薬剤部の溝神文博氏から、高齢者の医薬品適正使用に関連するガイドラインが公表される中で、医薬品の評価としての「日本版抗コリン薬リスクスケール」や包括的な視点の大切さから「高齢者総合機能評価(CGA)に基づく診療・ケアガイドライン2024」、高齢者の全体的な健康状態を評価するために、多職種での視点・連携が重要であり「多職種連携を推進するための在宅患者訪問薬剤管理指導ガイド」が作成されたが、これらの最新の知見とガイドラインに基づく具体的な対策を紹介いただく。
続いて国立病院機構栃木医療センターの矢吹拓氏から、医師の視点で薬剤師に期待しているポリファーマシー対策として、薬剤師の専門性を生かして有害事象の早期発見や潜在的不適切処方へのアプローチがあり、医師や他職種との連携の中で、患者自身が自らの薬物療法を含めた医療や健康に興味や関心を持てるよう,ヘルスリテラシーに関わること等について講演いただく。
最後に、埼玉県保健医療部薬務課の中山悠子氏から埼玉県薬剤師会への委託事業として、薬局薬剤師と多職種との連携によるポリファーマシー対策推進事業において薬務課が深く関わったことで、市町村が行う保険者努力支援制度の重複投与者・多剤投与者に対する取組と連携して全県展開でき、県薬剤師会、県医師会、大学、保険者など関係者と協議しながらポリファーマシーの解消に成果を挙げた概要について講演いただく。
これらを通して参加者の先生方と討論し、医師への処方提案、患者への適正な服薬指導につなげていただきたい。
(井深宏和)