製薬業界において、医師との面談回数の減少、製品構成のシフト、オムニチャネルやDX対応など、MRの業務環境は大きく変化している。これにより、MRは新たな役割を果たすための専門的スキルを獲得し、向上させる必要がある。
リープ株式会社は、こうした製薬業界の大きな環境変化に対応したMRのスキル育成に取り組む。経験や勘に基づく感覚的な教育から脱却し、科学的根拠に基づいた戦略的な学習を提供することを掲げ、MRが組織の目標を達成できるよう、教育研修のデザインのみならず人材育成の仕組みづくりなどのコンサルティングを行っている。
「教育に、戦略を。」というコンセプトに基づき、パフォーマンスやスキルの評価、分析を行い、ギャップ分析を実施し、課題に合わせた教育戦略の支援を提供している。「インストラクショナルデザイン(ID)」を基盤とした教育システムにより、MRが必要な知識やスキルを効率的に習得できる仕組みを構築する。その根幹には、組織のパフォーマンスにおける「現状の課題」と「企業が描くあるべき姿」とのギャップを正確に測定・評価し、そのギャップを埋めるアプローチがある。
複雑な環境変化によって迫られるMRのスキル転換
MRには、医師との面談が難しくなる中、限られた面談時間で質の高い情報を伝えるスキルが求められている。これまでの「頻繁な訪問による情報提供」から「質の高い1回の面談」への転換が迫られているといえる。複雑化する業務に対応できるMRの育成は、最重要課題である。また、新しい時代のMRを育成する所長の指導力も高いレベルが期待されるようになってきた。しかしながらその一方で、コロナ禍を経ての営業所や支店の廃止により、同僚や先輩、上司とのコミュニケーションも減少しかねない。上司や先輩の「背中を見て育つ」時代は本格的に終わりを迎え、組織に合わせた戦略的なMRの育成システムを考える時代が到来しているとリープ株式会社は認識している。組織には、現場の人材育成の仕組みをビジネスゴールに合わせて戦略的に組織展開することが求められ、MRには自身が主体的に自社の企業価値を理解し、自らの役割を明確にする姿勢が期待される。
OJTを推進し、MRを成長させるためのスキル評価・学習プラットフォーム「SkillPalette」
リープ株式会社が開発したスキル評価・学習プラットフォーム「SkillPalette(スキルパレット)」は、MRのディテーリングスキルやマネージャーのコーチングスキルを評価するツールである。AIによる評価と専門家の評価およびフィードバックを組み合わせ、MRが自らの課題を把握し成長する支援を行う。評価結果は上司も確認することができ、評価スコアに基づいた客観的な視点でOJTを促進することのできる有力なツールとなる。すでに30社以上の製薬企業がサービスを利用し、具体的な成果として「医師の求める臨床ニーズに合わせて議論や提案ができるようになった」「個々の医師や患者さんの状況に沿って、課題を深掘りしながら対話できるようになった」「患者さんの立場を理解し、それに応じた薬剤の提案が可能になった」といったフィードバックが寄せられている。成功のカギは、現状を評価し、その評価結果に基づいた研修設計と実践、そして研修の結果をさらに評価しフィードバックするという教育のPDCAサイクル(インストラクショナルデザインにおいては「ADDIEモデル」と呼ばれる)の実行にある。
持続可能な成長に向けたエビデンスベースドな組織開発の実践
今後の展望として、「MRや所長の営業現場の活動が本社戦略に合っているか」「マーケティングプランを理解した活動となっているか」など組織課題の抽出に取り組んでいく。人材育成戦略だけでなく、事業戦略の課題を、パフォーマンスのデータ解析を通して明らかにし、エビデンスに基づく組織開発を目指す。昨今において企業が取り組む人的資本経営を、最新のテクノロジーを用いて支援し、企業それぞれの理念や考え方に基づいたMRの成長や組織の目標達成を目指す製薬企業のニーズに応える。
リープ株式会社は、MRのスキルアップを支援し、製薬企業のビジネスゴール達成に貢献することを目指す。現状を評価し、課題を可視化し、戦略的に教育システムをデザインすることで持続可能な成長を実現する。製薬業界の変化に対応し続け、MRの育成と組織の発展に寄与していく。
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