中外製薬は16日、都内で癌や難病患者の声を創薬研究などに取り入れる協働活動の発表会を開催した。患者から聞いて初めて気づいた創薬や製剤研究のニーズ、それに基づく試みなど五つの取り組みが発表された。乳癌再々発患者として講演した中野季里子氏は、治療の中に生活があるのではなく「患者にも日常生活が毎日あることに重きを置いてほしい」と述べ、生活のしづらさを解消する観点からの取り組みを促した。社員からは、生きづらさや生活のしづらさに「どう対処していくべきか、取り組む使命を感じた」などといったコメントが上がった。
同社は、患者と製薬を調和する取り組みを「PHARMONY(ファーモニー)」と名付けて2022年に本格化し、23年からは創薬段階だけでなく、臨床開発、販売・育薬まで対象を拡大して展開してきた。今回、活動の浸透を狙って、「CHUGAI HARMONY DAY 2024」として社内イベントとして開催し、オンライン含め300人超の社員が参加した。発表テーマは▽創薬研究初期段階における患者視点のニーズの着眼と検証▽患者さんの声を聞き、想いを新たに患者さん中心の製剤開発に生かす▽患者さんと共に進む臨床開発の歩み▽患者さんの視点を取り入れた補償のあり方の革新▽米国における子宮内膜症の患者支援団体との協働――。
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