京都大学などの研究グループは10月28日、再発・難治性の多発性骨髄腫を対象にしたCAR-T療法「アベクマ点滴静注」(一般名:イデカブタゲンビクルユーセル)の製造不良の実態調査結果を公表した。実施例154例を解析した結果、8.4%に当たる13例に製造不良が認められた。不良となるリスクについて、患者からのT細胞採取時点で血小板減少と免疫が落ちている状態のリンパ球の疲弊を指摘。病勢コントロールが容易な段階で早期にT細胞採取を行うなどの対策を示した。
対象患者は病状が厳しく、製造不良があると治療の遅れにつながり、生命予後に影響しかねない。医療機関側も人員や病床リソースが取られ、製薬企業としても製造枠の追加といった影響が波及することから、不良リスクの同定と対策が求められていた。
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