日本医療機能評価機構は「医療安全情報No.30」で、「アレルギーの既往がわかっている薬剤の投与」について、12事例を報告した。事例では、診療録の決められた場所に薬物アレルギー情報の記載がなく、診療録などの他の場所に記載されていたために、投与禁忌の薬剤を患者に投与した例が8件あり、注意を喚起した。
他の場所への記載としては、▽カルテの経過記録▽外来予診カード▽アナムネ用紙▽外来カルテに添付された紹介状――などが挙がっている。また。アレルギー情報を確認しなかったり、アレルギー情報記載が不十分だった例もあった。
カルテへの記載例では、入院時に担当した医師が電子カルテの経過記録に、クラビット内服によるアレルギー反応を記載したものの、電子カルテ内の決められた場所に記載しなかったために、次に担当した医師が患者にクラビットを処方してしまった例を紹介。この医療機関では、「薬物アレルギー情報を、アレルギーの有無を含めて、いつ、誰がカルテのどこに記載するかを明確にする」取り組みを行っていくとしている。