日本新薬は15日、今期から始まる5カ年中期経営計画を発表した。毎年平均5%の成長を果たし、2014年3月期に医薬品事業は650億円、全体で800億円の売上高達成を目指す。得意とする泌尿器、血液内科領域での新薬創出に向け、今まで以上に研究開発の焦点を絞り込む。営業も重点領域への集中化を行うほか、MR数は現在の540人から2年以内に650人程度に増員する予定だ。
売上高は5年間で約27%の増加を、営業利益は100億円、純利益は60億円を目標にする。
同日の決算会見で、前川重信社長は「この5年間で新たな薬剤を7品目程度投入したい」と表明。現行パイプラインからの新薬上市によって、計200億円強の売上を積み上げ、目標の達成は可能との見通しを示した。
7品目のうち期待が大きいのは、日本イーライリリーから国内販売権を取得し、今年7月から日本新薬が単独で販売する勃起不全治療剤「シアリス」(一般名:タダラフィル)。タダラフィルとして肺動脈性肺高血圧症(国内承認申請中)、前立腺肥大症に伴う排尿障害(国内外で第II相臨床試験段階)の開発も進んでおり、これら3品目によって、ピーク時100億円以上の売上が見込めるという。
血液癌領域で骨髄異形成症候群を対象に、国内第II相試験段階にある「NS‐17」(アザシチジン)も、将来は「100億程度は狙える」(前川社長)見通しだ。
新薬開発と併行して、主力品の維持にも取り組む。アズノールうがい液、バイナスなどは「まだ伸びる」と前川社長は見通したほか、可能な製品には口腔内崩壊錠の導入を推進する考えを示した。
創薬では、泌尿器科、血液内科を中心に、従来以上に重点領域を絞り込む。創薬対象として七つのターゲット疾患を具体的に設定、経営資源を集中化させる。
パイプライン充実に向け、泌尿器科、産婦人科、耳鼻咽喉科、整形外科を中心に導入も進める。毎年1品目以上の新製品上市に向け、自社創製品の狭間は導入品で埋める従来の戦略を引き続き実践する。研究開発費は、直近3年間に比べ20%ほど増やし、平均で毎年93億円を投入する計画だ。
営業も重点領域に焦点を当て、MR数を増やしつつ資源の集中投下を行う。
生産の効率化については「近い将来、注射剤(の製造)は外部にお任せしようと思う」と前川社長。固形剤製造でも、コアとなるスタッフをスリム化するなどし、原価の低減を進めたいとした。