武田薬品は18日、米子会社が米バイオ企業「IDMファーマ」を約7500万ドル(約72億円)で買収すると発表した。1株当たり2・64ドルの現金で株式公開買い付け(TOB)を実施し、完全子会社化する。IDMの骨肉腫治療薬「メパクト」(一般名:ミファムルチド)を獲得することで、既に承認取得済みの欧州で癌領域への本格進出を目指す。
IDMは、癌の免疫応答をターゲットに癌領域の新薬開発を進めてきた。最も開発が先行した骨肉腫治療薬「メパクト」は、既に欧州27カ国、アイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーでの販売承認を取得済みであり、武田はIDMを買収することで、欧州でも癌領域に本格進出する。
今回の買収を受け、メパクトは、武田の欧販売子会社から発売されることになった。また、今後のメパクトのグローバル開発方針については、癌領域の開発戦略を担う米ミレニアムが検討していく。
IDMは、1987年に設立されたバイオ企業。2008年度の売上高は3100万ドル(約30億円)、純損失が1億8600万ドル(約180億円)。