専用ブランド「エピステーム」発売‐スキンケア化粧品で百貨店に参入 ロート製薬

2009年05月22日 (金)
yakuji_photo

 ロート製薬は、国内ドラッグストアを中心に展開し、堅調に成長しているビューティー事業を拡大する。製薬会社としての高い技術力を凝縮した百貨店専用の新ブランド「episteme(エピステーム)」を、9月2日に発売する。国内だけでなく、2010年1月には中国でも発売する予定で、将来的にはアジア全域への展開を見据える。

 国内の化粧品市場は約1兆5000億円といわれ、ここ数年は横ばい傾向で厳しい状況が続いている。その中で、機能性化粧品のスキンケア市場は01年以降増加している。これについて同社は、「成熟市場にあっても、自分にとって必要なものを見極め、最も良いものを賢く選択する消費者が増えていることの表れではないか」と推察。また、日本だけでなく、中国をはじめとするアジア人女性の美容意識が高まりを見せていると分析している。

 同社では、91年にメンソレータム社・中国を設立するなど、メンソレータム社のネットワークを通じて、中国をはじめとするアジア諸国でメンソレータムブランドのスキンケア製品や、日本発の化粧品ブランド「肌研(ハダラボ)」を販売してきた。今後、機能性を重視したスキンケア化粧品への需要は、日本をはじめ中国・アジアでもさらに高まると考え、新ブランドの設立となった。

 新ブランド「エピステーム」のブランド名は、“真の知”を意味するギリシャの哲学用語から生まれた。同社が培ってきた「知力」を結集し開発、専門的な知識を身につけたスキンコンサルタントが、知性あふれる女性たちに届けるという意味合いが込められている。

 「エピステーム」ブランドは、米国ベンチャー企業「ダイナミス・セラピューティクル」をはじめ、国内外の機関と共同で取り組んだエイジング研究の成果をもとに開発された。エイジング肌の原因に着目したスキンケア製品のほか、サプリメント・ドリンク等の全18品をラインナップ。「内からも外からも、年齢という概念を越えた輝ける肌」を訴求する。

 コアターゲットは、30代後半から40代を中心とした女性。パッケージやブランドロゴなどは、百貨店専用の高級ブランドとして、「未来」「知性」を思わせる白をベースに、内側から輝く美しさや上質な肌の質感を表現している。

 同社が百貨店に専用カウンターを設けるのは今回が初めてで、9月2日に「伊勢丹新宿店」と「高島屋大阪店」に「エピステーム」専用カウンターを開設し、販売を開始する。順次、全国主要都市の百貨店へ拡大していく予定で、3年後には10億円の売上を目指す。

 一方、アジア展開では今年3月、中国・上海に新会社「媛碧知商貿(上海)有限公司」を設立。メンソレータム社などグループ間のシナジーを生かしながら上海や北京を皮切りに展開し、3年後には10億円の売上を目標にしている。



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