富士フイルムは1日から、医師のCT読影業務を支援する「SYNAPSE SAI Report構造化機能」を富士フイルムメディカルを通じて提供を開始した。同社独自の医学文書に最適化した自然言語処理技術「読影レポート構造化AI」を用いて同機能を開発した。
同機能は、医師の読影業務を支援するビューワ一体型レポートシステム「SYNAPSE SAI Report(シナプス サイ レポート)」のオプションとして、CT読影レポートに記載された所見文と画像解析結果の矛盾をチェックする機能、過去所見や症例の検索スピード向上など、医師の読影業務を支援するもの。
具体的には、「読影レポート構造化AI」により、医師が記載したCT検査の所見文を構造化し、作成されたレポートをデータベースに保存する「レポート構造化エンジン」を搭載している。
これは、レポートに記載された所見文に含まれる所見、解剖、性状、診断、測定値などに関する用語を「読影レポート構造化AI」により抽出し、所見ごとに整理したうえで、肝細胞癌をHCCと記載するなど、表現の違いを吸収した構造化単語としてテーブル形式のデータベースに蓄積することが可能となる。蓄積されたデータは、二次利用機能に利用されることを想定している。
また、「SYNAPSE SAI viewer」の画像処理所見文の矛盾をチェックしてアラートを表示する「所見アラート機能」、所見ごとにレポート構造化データを内容に応じて、折れ線グラフやレーダーチャートなどのマルチメディアで直感的に表示する「マルチメディアレポート」、構造化したデータから過去所見、研究や症例の検索を可能とする「構造化データベース(DB)検索機能」も搭載している。
なお、同社はこの機能を11~13日、横浜市のパシフィコ横浜で開催される「2025国際医用画像総合展(ITEM2025)」に出展する。