2008年度末における先発品の妥結率は98・0%だった。「医療用医薬品の流通改善懇談会」の緊急提言(07年9月)が目標とした6カ月以内の妥結は70・9%にとどまったものの、ほとんどの医療機関・薬局が年度内での妥結を達成した。しかし、大規模病院では設置主体によって格差が見られるなど課題も残った。また、全品総価契約は減少し、緊急提言が示した除外品目を設定する総価契約へと代わってきている実態が浮き彫りになった。
厚生労働省の公表資料によると、3月取引分の妥結率は、病院が94・5%(200床以上94・0%、その他96・1%)、診療所が99・6%で、医療機関全体で96・6%だった。薬局は、20店舗以上のチェーン薬局が99・7%、その他が99・3%で、全体では99・7%となった。
06年度改定後と比較すると、10月取引分では、もともと妥結率の高かった診療所では5・1ポイントの伸びだったが、薬局は25・3ポイント改善。特に、20店舗以上のチェーン薬局では54・5ポイントと大幅に増加し、全体を底上げした。また、病院は13・2ポイント改善したが、妥結率の水準は50・7%と依然として低かった。
200床以上の病院では、設置主体によって妥結率に差があった。3月取引分でも多くが95%を超える中、労災病院が66・0%、日赤が81・3%、学校法人が84・9%、公益法人が88・9%、済生会が90・0%だった。
また、08年度は取引契約の状況にも変化がみられた。日本医薬品卸業連合会資料によると、200床以上の病院に対する売上高に占める総価契約の割合は39・4%で、07年度の53・6%から減少した。特に全品総価は6・4%と、07年度の24・6%から大きく改善した。その一方、希少疾病用医薬品や生物由来製品など、特別なコストがかかる薬を除外した全品総価が11・6%あった。
20店舗以上のチェーン薬局では、売上高に対する総価契約の割合は81・9%で、07年度の99・1%から改善。全品総価は53・2%から1・2%に減り、特定品目を除外した全品総価が50・2%となった。
なお、08年度上半期における総価契約の割合は200床以上病院で31・8%、20店舗以上のチェーン薬局で78・8%と、いずれも通年度ベースの数値より低く、年度後半に総価契約が多いことがうかがえる。