【新製品】一体型高速液体クロマトグラフ「i-Series」発売‐分析前の装置状態自動診断し信頼性の高い分析実現 島津製作所

2025年09月03日 (水)
LC2070

 島津製作所は1日、一体型高速液体クロマトグラフ「i-Series」(アイシリーズ)の「LC-2070」「LC-2080」の2機種を国内外で発売した。従来シリーズの堅牢性や安定性、データ互換性を継承しつつ、データの信頼性や作業の効率性を高めている。また、外装パネルやメインフレームなどに同シリーズでは初めてリサイクル樹脂を採用し、環境への負荷の軽減を図っている。

 「i-Series」は、コンパクトな卓上型でありながら、高い基本性能、分析の高速化などを実現しており、世界中の製薬企業を中心に累計約4万3000台を販売している。

 今回発売された2機種は、品質管理などのルーティン分析で求められる堅牢性を確保しつつ、「作業の効率性」「作業者の熟練度に影響されないデータ取得」などをより強化するために、装置の立ち上げ時に自動で主要ユニットの状態を診断する機能や、カラム情報を一元管理する機能「iCMP(intelligent Column Management Platform):オプション」を追加している。

 同社が目指す「システムやソフトウェアが、熟練技術者のように操作し、状態・結果の良し悪しを自動で判断して、ユーザーへのフィードバックやトラブルを解決する“Analytical Intelligence”」を実現したもの。また、2機種はメソッド開発ソフトウェア「LabSolutions MD」を使用することにより、ルーティン分析だけでなく、対象に合わせて新しい分析法も開発できる。

 主な特長としては、「分析前に送液ユニットやオートサンプラーの状態を自動で診断する」業界初の機能により、配管の汚れ、詰まりなどの動作不良を検出できる。また、カラムオーブン温度と連携した移動相流量制御機能により、カラムへの急激な圧力負荷を抑制しながらカラム平衡化を自動で実行することでデータの信頼性を高めている。さらに、分析中のトラブルに際して装置を自己復旧し、ダウンタイムを削減している。

 オプションのiCMP(intelligent Column Management Platform)は、カラムの使用履歴を管理できるプラットフォーム。分析前にカラムに貼付した二次元コードをスキャンして、分析条件や分析回数などの履歴を紐づけることができる。過去の分析結果を検索することで、保持時間やピーク形状を比較し、カラムのパフォーマンスを確認することもでき、カラムの製造メーカーを問わず、情報の一括管理が可能となっている。

 高圧バルブの交換周期を、従来の2倍に延ばしており、消耗部品の使用量を抑えている。また従来、外装パネル3種類およびリザーバトレイにコポリエステル樹脂(PCTG)のみを使っていたが、同じ部材に30%のケミカルリサイクル樹脂を加えた。さらに、ポリプロピレン樹脂を使用したメインフレームなどの部品も、再生比率100%のメカニカルリサイクル樹脂に切り替えている。このほか、同製品の梱包材の構造などの工夫によって、運送コストの削減を図ると共に、分析中の消費電力を従来機種より減らし、年間約100tの温室効果ガスの排出量削減を見込んでいる。

 希望販売価格は、「LC-2070」(上限耐圧50MPa)が630万円~(税込み)、「LC-2080」(上限耐圧70MPa)が740万円~(税込み)

 販売目標は、国内外で発売後、2機種合計で5000台。



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