島津製作所は2日、独自開発の微量ガスのサンプリング機「FluxEdge」を搭載した「FluxEdge(フラックスエッジ)GCシステム」を発売した。同社の最新ガスクロマトグラフ(GC)に搭載でき、最小量のサンプルだけで高速かつ信頼性の高いガス分析を実現している。

同製品は、半導体製造で用いられる微細加工技術と不活性処理技術を基に開発された微量ガスのサンプリング機構。微小体積かつ不活性に設計された7mm四方のダイアフラム構造のマイクロバルブが搭載されており、同社のガスクロマトグラフ「Nexis GC-2030」もしくは「Brevis GC-2050」に取り付けることで、微量サンプリングと高速分析、高い耐久性が実現ししている。
また、脱炭素研究における触媒研究や人工光合成など反応化合物をモニタリングする場合において、微量ガスサンプルを連続的かつ迅速に分析し、ラボの生産性を高めている。
そのほか、人工光合成・触媒など反応化合物をモニタリングする際、同製品は連続的かつ迅速に分析結果を提供しラボの生産性を高める。また、従来はGCで無機ガスを分析する際に100 mL以上のサンプルを必要とする場合があったが、同製品は数mLという少量で分析できる上に、分析時間を約3分の1に短縮している。
さらに、同製品の流路切り替えに採用されているマイクロバルブは、半導体製造で使われる微細加工技術を応用した同社独自の部品。流路が不活性かつ最小に設計されているため、高精度かつ高速に分析できる。また、マイクロバルブ自身は数百万回以上の駆動が可能で、従来のバルブの数百倍の耐久性を有している。
拡張性と簡単操作については、同社最新のGCとFluxEdgeを組み合わせ、従来のGCシステム構成と比べてシンプルでコンパクトな装置構成を実現しましている。GCが扱える様々な検出器や業界標準のキャピラリカラム、各種オプション品を選択し、ラボでの要望に合わせたシステム構成が可能となっている。システムの制御・解析は同社提供のソフトウェアに対応しており、汎用GCと同様に簡単操作で分析できる。
同社は今後も、同製品の改良を続けると共に、アプリケーションを拡充し、食品安全や環境成分分析など幅広い分野での分析ニーズに対応していく。
希望販売価格は、「FluxEdge GC-2030高速ガスアナライザー」が1320万円~(税込み)、「GC-2050+FluxEdge FX-40ガスインジェクタ」が550万円~(税込み)。販売目標台数は発売後1年間で30台。