島津製作所は3日、液体クロマトグラフ(LC)用異常ピーク検知支援ソフトウェア「LabSolutions Detect」を発売した。同ソフトウェアは医薬品や食品などの品質検査で、「LCによる分析データ」と「あらかじめ登録した正解データ」を照合し、不純物の混入といった異常を迅速に検出するもので、データ確認を自動化すれば、異常の見落としをなくして安全性の水準を向上させる。
同ソフトウェアは、まず対象の化合物に含まれていなければならない成分の種類や量を示すピークについて、正解となるデータと基準値を登録する。これらを基に「必要な成分が適量含まれているか」と「未知の不純物が入っていないか」といった判断を支援する。
クロマトグラム(波形の測定結果)を重ね合わせて視覚的に確認したり、類似するピークを自動的に照合したりすることで、大量のデータから異常なピークやデータを迅速に検出する。
来年9月から、機能性表示食品のうち天然抽出物などを原材料とするサプリメントのGMP(適正製造規範)に基づく製造・品質管理の遵守義務化が実施されるなど、食の安全・安心に関する関心は高くなっている。同社は、最新の装置・ソフトウェア技術で医薬品や食品の安全性を確保しつつ、ラボ業務の効率化・省力化の両立を支援していく。
主な特長としては、サンプルのロット・装置など、様々な要因で変動するクロマトグラムをアライメント(保持時間の自動補正)し、重ね書きすることで、複数サンプル間の差分を一目で確認でき、誤差の範囲なのかを判定するため、異常値を容易に検出できることが挙げられる。
また、LCによる品質管理では、管理対象ではない不純物のピークが検出された場合、そのピークがどのサンプルで検出されているのかについて複数のデータを目視で確認する必要があるが、同ソフトウェアは、目視の照合工程をクラスタリング(類似ピークのグループ分け)機能で自動化し、各データに共通する不純物を瞬時に検出する。
さらに、差分を解析した結果は、複雑な設定なしでレポート出力する。解析結果はデータベースで安全に一元管理できる。
希望販売価格は145万円(初年度パック、税込み)~。販売目標は発売後1年間で30パック(国内外)