アルケアは1日、ポジショニングクッション「プロップス・クッション」を発売した。同製品は、「ポジショニング」の概念を再考して開発されたもので、褥瘡や関節拘縮のある人だけでなく、自力で体位変換ができない人などに対して、治療や検査に伴う合併症や二次的障害への対策や、QOL向上のために行う基本動作や姿勢の維持・改善させるケアの浸透を提案している。

同社は、「ポジショニングは複雑」との印象を持つ医療・介護者も多いという現場の課題を解消するため、今回、シンプルかつ効果的に使用できるクッションの開発を目指した。その結果、患者の安楽だけでなく、ケアを提供する側の負担も軽減する「プロップス・クッション」を開発した。
同製品の特長の一つは、シンプルなポジショニングをサポートすること。広い面で身体を支える「デルタ」と「ウェーブ」、細かな調整が可能な「スティック」と「オーバル」の四つの形状で、仰臥位(仰向けに寝た姿勢)、30度側臥位(ベッドの面に対して体が約30度傾いた横向きの姿勢)、背上げ(ベッドの背中部分を上げて、上半身を起こした姿勢)などの様々な姿勢に対応している。
また、クッションにかかる体重に応じて空気調整フィルターから空気が抜けることで身体に沿うようにフィットし、重さを面で支えて分散させる。これにより、姿勢をより安定させ、くずれを軽減させる。外袋にはガイド線が施されており、クッションを身体に当てる位置の目安となる。これにより、複数のケア担当者間での確認や情報共有をサポートする。
このほか、クッション本体は消毒液での清拭・消毒ができ、洗濯や洗い替えの負担が軽減され、衛生的で管理が容易となっている。消毒液は、次亜塩素酸ナトリウム、消毒用エタノール、両性界面活性剤、ベンザルコニウム塩化物などに対応している。
さらに、中材に軽量な発泡ビーズ(ポリプロピレン)を使用しているため、持ち運び時やクッションを患者の身体にあてる際の負荷を軽減させている。