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【DIAアジア新薬開発カンファレンス】アジア共同治験、効率性に課題

2009年6月2日 (火)

第3回DIAアジア新薬開発カンファレンス

第3回DIAアジア新薬開発カンファレンス

 第3回DIAアジア新薬開発カンファレンスが都内で開かれ、アジア共同治験の実施に向けた効率性、生産性が議論され、地域の協力体制を求める意見が相次いだ。パネル討論では、国際共同治験で優先度が低いアジア人特有の疾患に対し、アジア共同治験のメリットが発揮できるとの見解で一致。特にアジア人の用量設定に活用し、人種差データを蓄積していく必要性が訴えられた。アジア共同治験は、模索から具体的な実施に当たっての効率化を検討する段階に入ってきた。

 グラクソ・スミスクライン韓国のイル・ソブ・リー氏は、アジア共同治験の開発戦略に関して、「日常的な協力が行われておらず、正式な実施体制がない」と指摘。「まだアジア共同治験には2~3カ国しか参加していないが、ほとんどの施設を巻き込んでいく必要がある」と提起した。

 その上で、「なぜアジア共同治験なのかを積極的に規制当局に訴えていく必要がある」と強調し、アジア共同治験の正式な実施体制を構築し、国際共同治験の中に組み込んでいくべきと訴えた。

 パネル討論では、アジア共同治験の実施に関する疾患領域が一つの焦点に挙げられた。リー氏は「アジアで罹患率が高い胃癌、肝細胞癌、慢性C型肝炎がメリットの高い領域として考えられる」と指摘した上で、「(こうした疾患は)われわれのイニシアチブがなければ、グローバルの優先度は低くなる」と危機感を示し、アジア特有の疾患で主導権を発揮していくべきとの考えを強調した。

 ブリストル・マイヤーズ・スクイブ中国のハオ・ワン氏、ノバルティス中国のウェン・チャン氏、武田薬品日本開発センターの中岡一郎氏も、一致して癌領域をターゲットに挙げた。その中で、チャン氏は、台湾でB型肝炎、C型肝炎の国際共同治験を実施した経験を踏まえ、「患者の90%がアジアに存在するため、最近はアジアで肝炎の治験が進められており、グローバル拠点もアジアに設置されている」と述べ、癌と肝炎領域のアドバンテージを強調した。

 また、ファイザーの原田明久氏は、「一つの疾患でも欧米とアジアで病態が違う。アジアでは、個々の疾患で可能性を追求していくような試験をやるべき」との考えを示すなど、グローバルの中でアジア特有の疾患で実施できるとの認識で一致した。

 一方、アジア共同治験の効率性、生産性についても議論となった。原田氏は「日本の開発はリソースがかかりすぎて、フットワークが重い。今まで以上に効率性、生産性を改善していかないといけないし、それを医療機関側にも伝え、全体として向上させていくことが重要」と述べ、特に事務局の意識改革を促す取り組みを進めていく考えを強調した。

 日本イーライリリーの植村昭夫氏は、「アジア共同治験のどこが良くて、どこが悪いかの分析が不十分ではないか」と問題提起。「日本のエンロールは欧米に劣ってない」とした上で、「コストのどの部分を圧縮するかなど、ベンチマークを徹底的にしないとメリットが見えてこない」と課題を指摘した。

 中岡氏は、「承認データパッケージは必要最小限であるべきで、必ずしも全てアジア共同治験で対応するとは思っていない」とした上で、「日本のデータは質が高い。その丁寧な手法を広げていく考え方もあるのではないか」との考えを示した。

 その上で、アジア共同治験を進めることにより、アジア人データのエビデンス、人種差データの蓄積を進めることが重要との認識が相次いで示された。これらの議論を踏まえ、リー氏は「規制当局と産業の対話がパフォーマンス向上には重要。何とかグローバルとのギャップを埋めていきたい」とアジア共同治験の推進に意欲を示した。




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