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別所薬卸連新会長のリーダーシップに期待

2009年6月15日 (月)

 日本医薬品卸業連合会は別所芳樹氏が会長に就任して、新体制となった。新体制になったからといっても、医薬品流通に山積する課題は変わらずに存在する。

 別所氏が就任会見で指摘したように、卸だけでは流通改革の実現は不可能であり、実際に取引するメーカーや医療機関・調剤薬局の理解と協力が必要となることは明確であり、別所氏も引き続き協力を求めていく考えだ。

 ところで、「流通改善」という単語が、いつの間にか「流通改革」にランクアップされている。こんなところにも、流通改革にかける意気込みが見えてくる。

 卸の業績に関しては既報の通り、史上最悪ともいえる惨状だった。流通改革への取り組みだけが原因ではないが、早期妥結や一次売差での対応が影響したことは否めまい。聞くところによると、ある卸は年度末が迫ってきた際に、生き残りをかけたのかどうかは分からないが、一気にシェア確保・拡大に奔走したという。事情を知らない国民から見れば、結局、医薬品卸は商売優先の一般的な企業と同じだと映ったことだろう。公定価格が定められている、国民の命に直結する医療用医薬品を扱っているにもかかわらずに。

 この反省に立ったのが、会員総意の下に総会決議した「医療用医薬品の卸売販売業営業原則」である。この営業原則は、[1]公的医療保険制度の適正な運営に資する医薬品取引を遂行する[2]薬事法等の関係法規を遵守し、医薬品の品質の確保に努める[3]常に医薬品に関する正しい情報を提供する[4]適正処方の推進を図ると共に、安全性確保の視点に立って、需要を超えた販売活動を厳に慎む[5]サプライチェーンの結節点機能を強化し、安心・安全・信頼の流通体制を確立する――の5項目から構成されている。

 原則に「厳に慎むべき行動」を明記しているなど、並々ならぬ意思を感じるが、公表した限りにおいては、この精神を一時たりとも忘失しないことが肝要だ。そうでなくては、将来にわたる医薬品卸の存在意義が見出されなくなる。

 別所氏は、会長に就任した際のあいさつで、黒人初のメジャーリーガーの言葉とされる「不可能の反対語は可能ではない。挑戦である」を紹介し、「山積する課題に果敢に立ち向かっていくことが必要だ」と訴えた。

 記者会見では、松谷高顕前会長が、旧約聖書から「何事にも時があり、天の下の出来事には全て定められた時がある」を引用して,「流通改革は今がその時だ」とあいさつしたことに対し、「鮮明に記憶しており、感銘を受けた」と述べている。

 その上で、松谷氏と聖書に対抗したわけではあるまいが、釈迦の言葉「過去の因を知ろうと欲すれば、現在の果を見よ。未来の果を知らんと欲すれば、現在の因を見よ」を紹介した。釈迦にはご存じ四天王から、ブームを巻き起こした阿修羅などの八部衆、そして十二神将、二十八部衆と数多くの配下がいる。

 釈迦の言葉を引用した別所氏にも、松谷氏、福神邦雄氏、熊倉貞武氏、鈴木賢氏という四天王(副会長)をはじめ、強力なサポート陣が揃い踏みである。66歳にしてバイタリティが満ち溢れる別所氏の「強力なリーダーシップ」(松谷氏談)に、内外から寄せられる期待は甚だ大きい。




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